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探し物を続けて異世界まで。  作者: 〆鯖
第1章 集まる点と繋がる線
1/8

少年、逃走中にて。

ー苦しい。


刺された傷が大きいわけではない。だが自分の身体を

異物が貫いたのだ。

得物が自分を貫いた映像。そのインパクトが大きすぎる。

身体の痛み以上に心と映像の衝撃が大きくのしかかる。


ー苦しい。


ここはどこだ。

痛みの情報を忘れる為ではない。

生きる為に次の情報を適切に得る必要があるだけだ。


ここはどこだ。


少年は朱に染まるシャツを右手で握りしめ、心を鼓舞する。

折れるな。そんな傷ではない。

挫けるな。戦いはそういうものだ。こういうものだ。

焦るな。次の状況に対応出来るように呼吸を抑えろ。


どこかの室内だ。人は居ない。が、物音が聞こえる。鳥の声も聞き取れる。暗い室内を目を凝らして周囲の情報を探る


窓はない。照明があるが明かりをつけるのは得策が愚策か。

まだ目はなれていない。


鼓動は落ち着いてきた。刺された環境は既に遠い過去。

今はこの「どこかに跳ばされた状況」からどう自分の

保身を確保するか。


ごく単純に判断すれば。いまは劣勢だ。傷を負い、

知らない場所へ吹っ飛ばされた。動いて身の確保するか

今のまま、情報を得てから動くか。

呼吸の波は整いつつある。室外から(廊下?)足音がする。

先程の物音の主だろうか。


自分の存在に気付いて向かっているのだろうか。劣勢継続。

窓はないのだ。この室内に入られたら少なくとも友好的な

展開にはならない。劣勢継続なのだ。


雑魚ならいいが、一度負けたといえる状況の相手に

跳ばされた先での遭遇。戦闘。敗北。は濃厚な線だ。

考えろ。落ち着け。選択肢を持て。



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