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メイカーズin喫茶店  作者: 終野 怜
4/19

第三話 マスターとカフェオレ

日を空けてしまった。


まだまだ続けます。

ある日の月曜、定休日の喫茶店にて。

 

月曜とは、学生や社会人が休日明けの平日に憂鬱をぬかす日だが、この喫茶店は月曜が定休日。憂鬱をぬかす必要が無いのだ。

 

他のみんなはいないけど、店長である自分はいつでも入ることができるため、店内の掃除や仕込みを営業日なら開店をしている夕方5時から行っている。今頃松下さんは大学に、千尋は中高一貫の学校にいるだろう。学校があるにもかかわらず、店の仕事をしてくれているんだ。自分はみんなの一歩先を行かなくては。

 

「まあ、自分も人の事は言えないか」

 

誰もいない店内でそんな独り言を吐く。誰もいないせいで独り言が響く。誰もいないお陰で、二階へとつながる階段から降りる足音が...ん?

 

ガチャ

 

そして裏の扉が開いた。誰か店員メンバーが来たのだろうか。

 

「ホント、手を抜くことなく頑張りますね。木崎さん」

 

そんな考えは、声を聞いた瞬間打ち砕かれた。

 

「おかえり。珍しいね、お店に来るなんて」

 

開かれた扉の前にいたのは、高校の制服姿のままでいて、二階に住んでいる女子高校生、この喫茶店のホームページ制作担当の樫木奈都さんだった。


 

 

 

「いくら店長だからって、そこまで頑張る必要ないですよ」

 

カウンターに腰掛け、自分に向かって愚痴っていた。

 

「だって、せっかく時間があるんだからやっとこうかなって」

 

「真面目で羨ましいです」

 

「ははは、どうも。樫木さん、何かいる? あいにく飲み物しか出せないけど」

 

「じゃあ、苦くないもので」

 

「ええー、意外と甘党か?」

 

「いえ、コーヒー苦手で」

 

「それは意外だな。じゃあカフェオレにしようか」

 

「お願いします」


 


「お待たせしました。カフェオレになります」

 

「ありがとうございます」

 

「ちなみにカフェオレとは、エスプレッソとミルクを1:1の割合で入れて、ガムシロップを加えたコーヒーだよ」

 

「はあ、」

 

「興味無さそうだね」

 

「全く無いです」

 

「そうだよね。普通、無いよね...」ガクッ

 

そう言いながら樫木さんはカフェオレを口にした。味を確かめるような表情で。

 

「うん、大丈夫です。苦くないですよ」ニコッ

 

「!! そ、それは良かったよ」

 

慌てて自分は顔ごと目をそらした。普段はクールかつ無気力な表情でいるから、思いもよらない所で出る笑顔は眩しいものだ。いわゆるギャップなのだろう。

 

「ところで木崎さん、」

 

「うん?」

 

「今日出た学校の課題、教えてもらえませんか?」

 

「え、何で」

 

「木崎さん勉強得意じゃないですか。私と違って」

 

「いや、そんなことないと思うけど。まあ、今日のはもう終わらせたけどね。休み時間に」

 

「ほらやっぱり、」

 

「だからって、人に教えられるほど得意って訳じゃ」

 

「お願いします、じゃないと私、学校に行きません」

 

「またそれ、」

 

「いいんですか?」

 

「わかったよ、そんなの困るし」

 

「え、」

 

「どうする?樫木さんの部屋でする?まあ、ここでもいいけど」

 

「えと、に、荷物は私の部屋にあるので、私の部屋に来てもらっても良いですか?」

  

「了解」


 



 


 

「この問題はこの方程式の公式を使って解けば、」


「あ、なるほど。そうすれば、」


「うん、終わったね」


「ありがとうございます。はあ、よかった~」


「お疲れ様。じゃあ、自分は戻ろうかな」

 

役目を終えてやることが無くなった自分は自室に戻ろうとした。

 

「あ、あの」

  

そこで樫木さんに呼び止められてしまったが。


「ん、 何?」

 

「あ、いえ、何も」

 

「そっか」


それを聞いて、自分は部屋に戻った。

 

「...こんなこと、頼んじゃ迷惑ですよね」

 

出る前に何か聞こえたのは気のせいだろう。



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