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紅い夢  作者: Himwari
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紅い瞳青い瞳、そのおくにー小春sideー

運命の人と結婚する

それが、小春の夢だった。でも、現実はそう甘くなくて小春は今日21歳の誕生日を迎えた。

「小春―!お誕生日おめでとう。」

この子は小春の高校時代からの親友だ。

「由香ー。ありがとう」

小春もなんだか嬉しそう。

「今日、合コンするんだよ。小春もおいで!」

「私はいいや。」

「そんなこと言ってるから運命の人がこないんだぞ~」

「わ、分かったよ」

しぶしぶ了承したようにみえるが小春の胸は期待でいっぱいだった。

小春は合コンのことで頭がいっぱいのせいで、勉強に全く集中できなかった。

あっという間にお昼ごはんの時間になった。小春は食堂へ由香と一緒に行くことになった。ちょうどお昼時なので食堂は大にぎわいだった。

「ただいまはいったニュースです。今朝5時頃アパートに住んでいたカセインクルハが警察によって射殺されました。私は、はやくこの世界からカセインクルハが消えてほしいそう思います。」

こんなニュースが流れた。

パリ―ン

小春が水を落とした。

「ちょっ、小春大丈夫?」

「あ、うん。由香、ちょっとトイレ行ってくるね。」

小春は急ぎ足でトイレに向かった。

トイレに入るといきなり泣き出した。

「カセインクルハが殺された。私もみつかったら殺される。」

この世界にはカセインクルハというものが存在する。カセインクルハは人間によってつくられた悲劇の生き物だ。人間のような姿だが、全く違う。人間がカセインクルハの血を飲むと不老不死になる。カセインクルハには2種類あって1つの種類のカセインクルハは人間を殺して遊びもう1つの種類のカセインクルハはふつうに人間にまぎれて生活している。

「最悪よ。人間は自分勝手すぎる。勝手に私たちをつくっておいて。つくったらつくったで殺されるなんておかしすぎよ!」

小春は10分ほど泣いてトイレから出た。

「ごめんね、由香。ちょっとおなか痛くって。」

小春はそういった。急いでお昼ごはんを食べた。授業にはきちんと出たが話は全く聞いてなかった。」

「よし!小春。気合い入れて合コンいくよ。」

「うん。」

由香は気合いを入れて化粧したが小春はすっぴんのままでいくことにした。小春の真っ白な肌は少し赤くなっていて青い瞳はいつもより輝いて見えた。

「着いたよ。」

その一言で余計に小春は緊張した。もしかしたら、自分の運命の人がいるかもしれない。そう思ってカラオケルームの扉をひらけた。

「よし、じゃあ自己紹介からいってみよう。」

由香はノリノリ。こうなった由香は誰にも止められない。

「俺、和也。よろしく。気軽に名前で呼んじゃってください。」

「俺、浩太。こうちゃんってよんでネ。」

「僕は、聖也です。気安く名前呼ぶんじゃねーぞ。」

なんだか、さいごのメガネくんだけ雰囲気が違う!そう思う小春だった。緊張するとトイレに行きたくなっちゃう小春は

「わ、私トイレ。」

言って抜けた。トイレからの帰り道で聖也とすれちがった。

「えっと、聖也くんだっけ。どうしたの。」

そんあ小春のことばをむしして聖也は小春の手を引き走り出した。

「ちょっ!」

カラオケ屋を出たとき小春は聖也の速さについていけなくてこけた。それをおかまいなしにお姫様抱っこして10分ほど走り広場についた。

「せ、聖也くん。何してるの。」

にっこり笑った聖也は

「僕と結婚してください。」

といった。状況がうまくのめていない小春は首をかしげた。

「だーかーら。僕と結婚してくださいって言ってるんですよ。」

「無理、無理だって!展開がはやすぎてついていけないし。」

「僕はあなたに一目ぼれしたんです。」

そう言われた小春は、頬を赤らめた。

「僕のこときらいですか?」

しゅんとすねた聖也の顔がかわいくて

「好き。」

といってしまった。そのあと小春は恥ずかしすぎて倒れた。次の日の朝、目が覚めた小春の隣で聖也が寝ていた。

「ぎゃあああああああああああ」

小春の叫び声で聖也が起きた。

「おはよう。僕のプリンセス。」

小春は顔を真っ赤にした。

「あ、そういえばきょう婚姻届け出しにいこうね。もう小春の両親には許可得たから。」

「そんな、あんたと結婚なんて無理!」

小春は聖也をにらんだ。聖也は小春をにらみ返した。

「・・・・カッカセインクルハ?そ、その紅い瞳はB型カセインクルハ。どうして?」

「やはり、おわかりなのですね。まあそれはそうですよね。あなたはA型カセインクルハなのだから。」

小春は自分がカセインクルハだということを知っているのは両親だけだと思っておりショックだった。

「い、言わないで。私は、運命の人と結婚したいの。だから、おねがい。まだ死にたくないの。」

そう言った小春の声は震えていてもう泣き始め聖也にだきついた。

「どうしよっかな。まあ小春が俺と結婚するっていうならいいけれど。」

「いいの?言わないの・・・・?」

聖也はうなずいた。

「分かった。婚約成立ね。」

次の日聖也と小春は役所に婚姻届けを出しに行った。小春の運命の人は聖也だったのかもしれない。二人はどんどん仲良くなって、杏奈という女の子も産んだ。そこからが、不運の始まりだったのかもしれない。小春と由香はマンションの隣に住むことになった。由香も心という子どもを産んでいた。杏奈と心は同い年ですぐに仲良くなった。毎日のように遊んでいた。こんな、日々が壊れることなんて予想できないくらいだった。杏奈と心が14歳になるころ事件は起きた。由香が小春の家に侵入した。小春の首元にナイフを当てて聖也を脅した。

「・・・ねえ聖也。私ねずっとあの日の合コンからあなたのことが大好きだったの。でもね小春が結婚しちゃったの。だから、私は聖也と小春のことをうらんでいる。殺したいくらいに。」

「・・・・・・」

聖也は何も言えない。

「でもね、人間を殺すとつかまっちゃうの。がしかし、聖也と小春はカセインクルハだから殺しても何にもない」

小春は泣きながら言った。

「どうして・・・?どうして知ってるの?」

「どうしても。私はこの世からカセインクルハを消したいの。分かる?この気持ち。」

「やめろ。小春を放せ。」

「どうしよっかな~。聖也が死ぬなら杏奈と小春は解放してあげる。」

選べにくい選択を聖也に投げた。

「分かった。俺を殺せ。」

「りょーかい。」

由香は聖也の胸にナイフを刺した。

「いやあああ。」

小春は聖也の前にしゃがみこんだ。

「杏奈と生きのびてくれ。」

聖也は弱弱しい声でそう言った。次の瞬間、由香は後ろから小春の心臓部にナイフを突き刺した。

「さようなら。無様なカセインクルハめ。」

由香の背後から足音がきこえた。杏奈だ。

「無様なのはそっちじゃないかな?由香おばさん。」

「ちょうどよかった。杏奈、おいで。お母さんとお父さんと一緒のところに連れてってあげるよ・・・」

バッチーン

鈍い音が部屋中に広がる。杏奈が由香をなぐった。そして笑いながらこう言った。

「おばさんに紅い夢を見せてあげる。永久に覚めないまっかな夢、だよ。」

こうして、一晩のうちに3人の生涯が終わった。





































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