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眠れない男

作者: 月桂樹

「つまらない」



いつの間にか

口ぐせになっていた言葉



娯楽は全てやり飽きた

友達との会話も新鮮味はなく

彼女との交わりも義務的に




面白いモノなど一つもなかった




画面の中の世界にも憧れたが

今では

見る気もおきない


夢でさえも

退屈で

つまらなくて




僕は

眠れなくなった




相談をしに行った医者は言った


「人を殺してはどうですか?」


その医者が言うには

世界には娯楽がありすぎるらしい



人は刺激を求める



そのため


刺激が


娯楽が


生まれ続ける




しかし



時々僕のような

全てに飽きてしまう人がいると



娯楽に飽きてしまえば

人生は白黒になり


ストレスからか


それとも


生きたくなくなるのか


眠れなくなる人がいるのだと




「どうすればいい?」


「大きな刺激を求めることだ」




さすがに殺人は冗談だが


だが

大きな大きな刺激は

それではないか


そう言った





相談に行ったその日



その医者は

死んだ



天井から垂らした縄に


自分の首をぶら下げて



自殺だと皆は言う






僕は

その夜



久しぶりに



深く眠った

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