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今日は父の所属する騎士団の対抗試合があり、その見学の為に来ている。
私は少しお腹の膨らんだ母の手を取って歩いている。
父と母と私の宝だ。大切にしないとね。
その隣にはメアリーゼやクー兄、シー兄、ナロットさんが歩いている。
許可書を申請すれば家族や恋人を連れてきて良いので、私が父に頼んだらメアリーゼも見たいとごねたのだ。
クー兄、シー兄は憧れの騎士が周りに居るので目を輝かせてるし、父達も良いところを見せる機会とあり奮起となって良いだろう。
「おや、ウラティナじゃないか。リーグの勇姿を見に来たのか?」
髭が生えたナイスミドルなおじさんが笑顔で話しかけてくる。
「はい。ダージル団長、お久し振りです」
キリッと母が返事をする。
騎士の時はこんな感じだったんだな。
凛としていて格好いい。
「うむ、久しいな。元気にしていたか?」
「はい。無病息災で過ごしております。団長はお元気でしたか?」
「あぁ、リーグが副としてよく働いてくれているからな。ところで、その嬢ちゃんは?」
団長と母の会話の妨げにならないよう黙っていたのだが、団長と目が合う。
「ウィーク・シークエンスと申します。お初にお目にかかります、ダージル団長様」
母の手を離し、しっかり目を見て話してから頭を下げる。
「ウィーク、そうか、息子か。随分と愛らしいもんで間違えてしまった。しっかりした坊主だな、リーグとウラティナによく似ている」
「ありがとうございます」
頭を上げると驚きながらも納得している団長と目を合わせる。
大好きな両親なので、父と母に似ていると言われると嬉しい。
お礼を言ったあと、思わず笑顔で母と目を合わせる。
「確か、5歳だったか?俺の娘は6歳なんだが、こんなに利口じゃねぇぞ。じゃじゃ馬娘だ」
私の頭をぐりぐりと撫でながら苦笑いする団長。
「ほれ、あそこの金髪のチビだ」
団長が指差す方へ目をむけると、確かに一人だけ金髪の子供が他の子供と走り回ってる。
満面の笑みを浮かべながら走っているのが微笑ましい。
「良かったら、仲良くしてやってくれな」
団長の娘は見ているのに気付いたのか、ふとこっちに目を向けて走ってくる。
「父さん!何?何したの!」
走り回っていたのにも関わらず、テンション高く聞いてくる。
すげぇ、元気だな。
「う、うむ、父さんの部下の息子だ。挨拶なさい」
若草を思わせるような緑の瞳は意志の強そうな吊り目気味で、肌は太陽で自然に焼けたことが分かる健康そうな淡い褐色、顔も整っている。
「あたし、リリーナ・フラシンカ!」
「僕はウィーク・シークエンスです。よろしくお願いします、リリーナさん」
私より身長の高い彼女を見上げながら笑顔で挨拶をする。
「…可愛い。お人形さんみたい」
私の顔を見下げながらポツリと呟くリリーナ。
その後も団長やリリーナと会話していた。
試合前に団長が準備があるからとリリーナと別れたのだが、別れ際までまじまじと見られていた。
あれは前世でフィギュア趣味の友人の目に似ていて、ちょっと怖かった。
そんなことがあり、メアリーゼがちょっと不機嫌になりながらも試合を観る為に観客席に座る。
最前列でわくわくする!
母や祖父の話は聞いていたが、見るのは初めてだからね!
お父さん頑張れ~!




