32
マリちゃんがニコニコと笑顔を浮かべながら私に近付く。
「やったね、ウィル君!家族がふえるよ!」
「やめてくださいお願いします」
元ネタ知っている上で言ってるな。
ずっと傍にいたって言ってたもんね。
私が見ているってことは、マリちゃんも見ているよね。
イマジナリーフレンド扱いされていたの根に持っているのかな。
ごめんってば。
そんなマリちゃんが立てた不吉なフラグを打ち砕くべく、魔法の練習をする。
最近、無詠唱に成功したから、練習にも熱が入るというもの。
詠唱は補助なだけで、経験値を積めば無詠唱で済むようだ。
うん、フラグなんて知りません。
無視するのが一番なのです。
美少年に不幸は似合わないのです。
フラグクラッシャーになってやるのです。
…後で母にメソルのグリーンスムージーを作って持っていこう。
さて、上位魔法と呼ばれる上位交換の魔法は全てが大規模に威力があるから無理だ。
因みに、上位魔法の種類は炎、海、嵐、地となり、派閥属性には上位魔法が存在しない。
といことで、他属性を干渉させる魔法をやることにする。
干渉魔法と呼ばれるが、他属性の魔法をぶつけることで打ち消す、防御魔法として使用されるらしい。
この魔法はあまり研究されていないようで、本にもあまり詳しくは書いていなかった。
防御魔法が発達していないっていうことは、この世界は攻撃的な性格の人が多いのかな。
しかし、私が考えた干渉魔法は、同時に複数の魔法を起こす新しい魔法である。
憧れの氷魔法を使えるようになりたいのだ。
実例がない新しい魔法ということで、仮説はいくつか立てたが実際にやってみないと分からないな。
「まずは2つの属性を発生させることから練習するか…」
魔力の扱いは慣れたので、2つの属性の魔力を魔法に変化させて手から片方ずつ出してみる。
これは難しいが、出来ないことはない。
調整にも加減が必要だが、持続性を鍛えて調整が得意になった私の敵ではない。
右手から水、左から風を出す。
このまま使用しても打ち消すだけだろう。
でも、同時に使用する感覚が必要だ。
目を閉じて想像する。
1つ目の仮説は雹や雪、霜をヒントに行ってみる。
雹は激しい上昇気流を持つ積乱雲内で生成するんだったか。
水と風を使うことは分かるので、雲を作ってみる。
「水を水蒸気にして風で上昇させる、と」
腕を前に伸ばし雲を発生させて風を操る。
…雨が降りました。
そっか、降る過程で冷やさなければ意味がないのか。
前途は多難である…。




