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日が登りだすが、まだ温度が上がらない内に起きる。
今は4歳の夏期である。
私は庭で柔軟体操をしている。
庭の土は最近はあまり抉られていない。
私はこっそりやっていた魔法もたまにしか出来なくなり、リオちゃんも過剰な肉体強化はしていないようだ。
「おはよう」
「おはよう、お父さん」
よく体を解すと寝ていた体が温まりだし、その頃になると父もノアと一緒に家から出てくる。
そして二人と一匹で並んで近所を走り出す。
いくら人が多い住宅街といえ、ここは王都の高級住宅街。
治安が良くても、誘拐がないとは限らない為に父と走っている。
最初はただ犬の散歩だったのだが、話の流れで体力作りで走ろうかということになった。
前世で多少の体術は習得しているものの、両親から騎手仕込みの体術や剣を習いたいと父に言ったのだ。
勿論、前世のことは伏せた上で。
父や母は喜んではくれたものの、体が小さいこともあり過保護だとは思うが体力作りからとなった。
体が小さいとはいえ、五体満足で丈夫だとは思うのだが。
前世で読んだ本には幼い頃から筋肉を付けすぎると体が大きくならないと書いてあった。
確かに、幼い頃から器械体操をやっていた男友達は多少の食事制限はしていたが、身長にコンプレックスを抱えていた。
それを踏まえれば体力作りのランニング程度なら大丈夫だろう。
ノアも毛玉から小型犬ほどの大きさになったとはいえ、ノアも私も小さい為に走る速度は速くはない。
4年も経ったが小さい体にまだ感覚が慣れないのもある。
前世は大柄ではなかったものの、今の目線の低さは少し恐い。
また、24年女だったので男の体の知らなかったこともある。
これも慣れていかなければならないことだ。
しかし、前世は父と走ることなんてなかったが、なかなか良いものだと思う。
私の親の固定観念が良い意味で覆りそうだ。
意味のない甘えはダメだと思っていたが、今の両親はベタベタに甘えさせてくれる。
そこまで優しいとどうすれば良いのか分からない上に、もし裏切られたらと思う。
幼い頃だけだとは思いたくはないが。
優しくされるのも未だに慣れない…。
慣れて良いものだとは思えない。
「朝日が気持ち良いな、ウィル」
「うん、さっぱりするね」
心地良いのは、慣れて良いのかな。




