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「…メアリーゼ・クラティマ。好きなことは寝ること。よろしく。」


隣のメアリーゼが私の前に気だるそうに自己紹介をした。

他にも自己紹介した子がいたが、みんな躾が良いのか行儀良く言っていた。

元気な子やビクビクした子など個性があったが。

さて、私の番か。


「はじめまして。ぼくの名前はウィーク・シークエンスです。ウィルとよんでください。好きなことは本をよむことです。なかよくしてください。よろしくおねがいします」


最後にニコッと微笑む。

無難に自己紹介したつもりが、女の子たちが顔を赤らめてる。

一部の男の子まで赤らめ…やめろ。そっちの趣味はねぇよ。


「ライト・マシダルカ。…よろしく」


私の次の男の子は暗い性格を全面に出しながら自己紹介をする。

名前ライトのわりに明るくねぇな。

こりゃあ、厄介なことが起きそうだ。

私の時とは違う意味でざわめいている。


その後は、恙無く自己紹介が終わり、メアリーゼや両親と共に幼稚園を後にする。

しかし、ライトか…ちらっと見たが、あの目を知ってるような気がする。

子供がしちゃいけない目だ。


「坊っちゃま。いかがされましたか?」


一日の最後に風呂に入った私は、セラに顔のお手入れをさせている。

化粧水や乳液、フェイスパックをするのだがセラはそれらを効率良くやる。

一度、自分でやると言ったらまるで死刑宣告を受けたかのような顔をしていた。

それからは自由にさせている。

肌も良くなるし、好きにしてくれ…。


「いや、幼稚園でうまくやっていけるかなって思ってさ」


「やっていくのではなく、うまくいかせるのですよ。それに…坊っちゃまに害なす者は私が掃除致しますわ、私は坊っちゃまの家政婦メイドですから」


セラは美しいし、クールだと思わせる外見と違い母性溢れる人だ。

しかし、それらを覆すセラの魔法学園在学中のあだ名は《殺戮人形からくりドール》。

庶民で孤児ながらも、特待生となり主席で卒業。

敵と見なせば容赦なく、あくまで正当に手を下す。

まるで最初から仕掛けられていたかのように。

そんなセラも私の顔を見てはぁはぁと恍惚した表情を見せているのだが。

言っている言葉は荒い。


「…家の掃除だけでお願いね」


私にはそれを言うのが精一杯だ。不甲斐ない。

明日から幼稚園だし、今日はもう寝る。



 

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