19 リオ
わたしの名前はリオ。
獣人族の狼人です。
凶暴で凶悪、野蛮な狼人。
何度も自分の種族を貶された。
それでも、わたしは気にしなかった。
それがわたしの良いところだって、かか様が言っていたから。
ある時、村を焼き払われ、性奴隷になる直前、ある魔術師に救われた。
最も、わたしが魔術師を見ただけで、魔術師はわたしを見なかっただろうけど。
それでも、髪の銀の輝きは月の光で辺りを照らしてた。
わたしは、その光景をずっと忘れないだろう。
何とか逃げ果せて、働き口を探しても狼人だから働けない。
犬人は大人しく、平和主義だから、容姿が似てるのに人族から好かれてた。
それでも、犬人だとわたしは嘘は吐けなかった。
そんな日が続いた時、旦那様に拾ってもらえた。
奥様は魔術師じゃないけど、あの日見た銀の髪と同じ輝きで綺麗だった。
セラは毒舌で生真面目だけど、優しい。
わたしは幸運だ。
獣人族は魔法が肉体強化しか使えない。
狼人は獣人族の中でも最も肉体強化に富んでいる。
そんなわたしが物を壊したり、庭の土を抉ったり、ヘマをしても怒りはするけど叩いたりしない。
わたしは嬉しかった。
人とは温かいんだとわかった。
そんな中、ウィーク様が生まれた。
可愛い子だと思った。
銀髪が綺麗な子。
皆の、わたしの、大切な子。
ウィーク様に歯向かう者はわたしも牙を剥こう。
最近、ウィーク様にお友達が出来た。
見てるとちょっとドキドキする。
周りに赤い花が似合う光景。
それを見てるわたしを見て、セラがため息を吐く。
知ってるんだよ、セラ。
あなたのような人を『しょたこん』ということを。
それを教えてくれたのが、ウィーク様なんだよ。
ウィーク様は頭が良い。
そんなウィーク様、昔ながらの魔法具が多いこの屋敷で一番好きなのは、装飾に凝った姿鏡。
「美しい…」と言っているのを見たことが何度もある。
セラは魔法具の良さを幼い頃から知ってるウィーク様素敵って言ってたけど、装飾より自分の姿を見てうっとりしてるように見えるんだけど…。
まぁ、それは別に良いんだ。
とくに気にしなくて良いって、こっそり教えてくれた子がいるから。
かか様、わたしは今、幸せです。
ここが、わたしの大切な居場所になったから。




