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18 セラリア


私の名前はセラリアと申します。

庶民出身の為、家名はありません。

皆からはセラと呼ばれております。

庶民ながらも、特待生として魔法学園を卒業した後、シークエンス家の家政婦メイドとして働かせていただいております。

主様は若夫婦ではありますが、家柄も職業的地位も高い為、良い職場で働いていることを日々実感しています。お給料的な意味で。

同僚のリオも獣人族で野蛮と言われる狼人ですが、彼女自身は犬のように愛らしいく、時々ヘマをやらかしますが愛嬌とも言えるでしょう。


そんな良い職場ですが、問題点が少々ございます。

まずは、奥様の料理が壊滅的なことが一つ。

聞けば奥様は女騎士として働いていたとか。

その為、家事は苦手としていらっしゃいます。

そこは私達メイドがいるので良いのですが、料理だけは自らやりたいと進んで行っているのです。

旦那様は料理ゲテモノを目の前にしても、平然と口に運び「おいしかった」とおっしゃいます。

後で見たら光魔法を使っていらっしゃいました。

奥様の料理は闇魔法ですか。

生まれて一歳のウィーク様の体が幼いのは、暗にこれが原因ではと考えておりますが、口に出さないことが暗黙のルールとなっております。

ニコニコと笑みを浮かべながら食すウィーク様に涙が止まりません。

やはり、ゲテモノとはいえ家庭の味は母の味なのですね。


そのウィーク様、生まれながらに聡明さと人柄の良さを感じさせる方であります。

泣くこともあまりせず、手のかからないというのはウィーク様のような子を言うのでしょう。

私は妹弟がいる為、子供は手のかかるものだと思っておりました。

そこが愛らしいく感じるのですが。

無論、ウィーク様が愛らしくないと言っている訳ではございません。

ウィーク様は大変愛らしいのが一番の問題点でございますから。

キラキラと雪の結晶を振りまくが如く輝く銀髪。

紫色の意思の強さと優美さや甘美を含ませた瞳。

含んだら甘い果実を思わせるような潤いに満ちた淡いピンク色の唇。

スッと伸びた高い鼻の造形の良さ。

顔のバランスは幼さがありますが、時々見せる大人の様な顔つきが危うくも胸のときめきを感じさせるのです。

(話省略)

手の柔らかさと言ったら…あら、いけませんね、ウィーク様の素晴らしさは語り始めると止まりません。

この前もリオ相手に語った時、3時間は経っておりリオは寝ていたことがありました。

しかし、それほど愛らしいく、罪なお方なのでございます。

今から美のお手入れに余念がなくなるというもの。

奥様やリオは男なのだからと聞かないのですが、ウィーク様は優しいお方なので私のような者にも付き合ってくださいます。

幼い慈しみの心につけこむ私をお許しください。


ここ最近の新たな問題点がリオのことでございます。

リオは狼人ながら性格の良さから雇っていただけたのですが、偏見があったが為に過去に辛い記憶があったようです。

リオ自身を見れば狼人の野蛮さは感じられない、犬っころのような子なのでございます。

実は犬人ではと疑ったことがあるのですが、白い立派な毛並みと尖った狼耳、素早い肉体強化は空間魔法を思わせるのは、やはり狼人です。

その力故に壺や家の装飾品が少なくなったのも、庭の所々が抉れているのもリオが原因ですが、悪い子ではないのです。本当ですよ?

そんなリオですが、最近、ウィーク様と隣家の双子の遊んでいる様子を高い肉体能力を活かしながら鼻息荒く見ているのです。

それが問題なのですが、口には出せず目を背けることしか出来ません。

微力な私をお許しください。


おや、ウィーク様がお風呂からあがったようですね。

私の一日の一番の幸福の時間でございます。

では、失礼致します。



 

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