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みんな大好き異世界到着です。
「いてて・・・。なんだよまったく・・・。」
俺は気がついたら草原に居たかった。居たかったし痛かっt(ry
いや、確かにここは草原なのだが俺が空から落ちてきた衝撃のせいで半径50mは陥没して草など存在をなくしていた。そんな元草原に俺はいるわけだが・・・。
「もっと穏便にしてほしかったな~。」
おそらく天界から落ちてきた衝撃でこうなったというのは容易に想像できる。それで死んでいないのだからある程度は神様が関与してくれたとは思う。そうじゃなきゃ俺は特殊装甲を纏った人間ということになる。気になった俺は唇を噛んでみたが普通に血が流れた。つまり耐久度が異常に上昇しているわけではないのだ。まぁユニークな能力が何かはまだわからないが怪我しないだけの能力とか不気味だしつまらなすぎる。
ある程度の考察は終わった俺はあたりを見渡す。陥没地帯以外は草の生い茂るだけの殺風景である。都合よく街の近くというわけではないらしい。街の近くに落ちた場合騒ぎになりそうだからここに落ちてよかったのかもしれないがいきなり生命の危機に瀕しているわけだ。
テンプレなファンタジー世界ならここで盗賊に襲われる美少女商人が通りかかるはずなのだがそれも期待できそうにない。現実はそんなに甘くないという忠告とかいらない。美少女カモン!!
とりあえず虚しくなったのでとりあえず歩き出す。ずっとクレーターにいて誰か来たら言い訳もできないし食べ物も近くにありそうにない。移動して森や川、海に着いたらそこで食料を調達できるだろうし、街なら最悪牢獄でも冷えた飯くらいにはありつけるだろう。ネガティブかもしれんが街に着いて住所不定、所持金ゼロの俺がなんとかなる可能性は皆無だと思うのだ。なんとかなるならホームレスなんて存在しないからな。自分で言ってて虚しくなる。
太陽らしきものがあるのでそれを目指して歩こうとしたが真上から一向に動かないので断念。この世界には夜がないのだろうか。異世界ならなんでもありえそうだから怖いな。仮に夜がないなら真っ暗な時に何かに襲われることはないだろうから、それはそれでいいのかもしれないが。
いちいち元の世界との違いに驚くのは小説も現実も変わらないので慣れるしかない。全部にリアクションしてたら疲れるだろう。うん。
そんなことを考えてたら徐々に陽の光が暗くなってっきた。不思議に思って太陽らしきものを見たらそれは真上にある状態で少しずつではあるが回転しているらしかった。しばらくすると半回転したらしく月のような光を放つ星になった。簡単に言うと月と太陽が表裏一体でその星が回転することで昼と夜が変わるといったかんじだ。さすが異世界、常識が通じない。
「しかし暗くなったってことはちょっと危ないよなぁ。魔物とかいたら死ねる自信あるぞ。肉体強化もされてないみたいだしな・・・。」
夜中歩くのは危険だ。そんなの林間学校の肝試しで転んだことがある俺はばっちりわかっている。その時は怪我で済んだが今回は命を落とすかもしれないレベルの危険である。下手に動くほど命知らずではない。そんなことをつぶやきながらも森らしき場所の近くまで来ていた。
先程まで命知らずではないと言いながらも好奇心に勝てなかった俺は森の中へと入って行った。自分でも無謀だと思う。笑いたきゃ笑ってくれ。だってそこに森があったんだもん。男なら行くだろ。多分。
「とりあえず食料確保しなきゃな。まだこの世界来てから何も食べてないし腹の虫も俺の脳内並にうるさくなってきてるし。」
「ぐぅ~。ぎゅるん!」
そんな腹の虫との会話?を終えて森の中へと足を踏み入れる。「ぎゅるん!」っていうのが腹の音でありえないというツッコミもしたかったがここは異世界だ。何があっても不思議ではないのだ。いや、人に聞かれたら爆笑されそうだが一人の俺はそう自分に言い聞かせるしかなかった。
そこで異変が起きた。その森に足を踏み入れた瞬間目の前に顔が影に覆われた全身ローブの浮遊体が現れたのだ。おそらく魔物であろう。俺の初戦闘は夜の森らしい。額に汗を浮かべて俺はその魔物と対峙した。
その魔物は黒い影のような右手を俺に向けた。俺の全身が謎の光に包まれた。
「この感覚は・・・。まさか!!」
俺の初戦闘はこれで終わった。いや、終わっていないのかもしれない。いつかはこいつを倒す。そう心に決めたのだから終わるわけがない。そんなことを考える暇があったかどうかの一瞬で俺はそこに存在していなかった。この感覚はこの世界に来たときに感じた感覚に似ている。
俺は転移させられた。1日に2回も転移させられたとか予想外デス。転移の時間は一瞬なのに色々考えてしまった。
「俺ってばどこ行くんだろう・・・。」
光に包まれ高速移動しているらしい間に俺はまたクレーターができないことを祈るしかなかった。
なんだかとっても読みにくいです・・・。まだ能力が明らかになっていませんね。