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手錠を後ろ手でハズす女〜プレイなのになぜ〜

掲載日:2025/11/30

SMプレイで、手錠を使ったのに後ろ手で手錠をはずし、毎回襲いかかってくる嫁。

こんな嫁と毎日はできやしない。そんな哀しみを綴ったある芸人の独白です。

今まで隠していたのですが、僕は昔、実は結婚していました。

元嫁と別れた理由は、夜の問題でした。


彼女は、特殊な性癖の持ち主でして。

「わたしを縛ってほしい。縛られると興奮するの」と僕にせがむので、そういうSっ気のなかった僕は戸惑いました。


若い頃は、性欲もあったので、そういう行為自体の快楽はあるので、乗り気ではありませんでしたが、素直に従って、嫁の両手をロープで縛りました。



で、毎回喧嘩になるのです。



なぜかというと、プレイ中に嫁が、ロープを後ろ手でカチャカチャと、僕のカミソリとかを使って、ハズしたあと、灰皿とかで僕を殴ってくるんです。



映画で、縛られてる人が、犯人にバレないように背中でゴソゴソやってロープを外したりするシーン、死ぬほどありますよね。



あれを毎回やってくるんです。



「お前が、縛ってくれって頼むからやってたのに、なんで後ろ手でロープ外して、襲いかかってくるねん」



嫁は毎回泣きながら謝り、「今度はロープを外したりしないから、捨てないで」と言ってきます。



そして、プレイの最中に毎回ロープに切れ目を入れて、外してしまうのです。

そして、鈍器のようなモノで僕に襲いかかる。



レスになりました。



向こうから求めてくることはあるのですが、縛ってくれと言われ、断りきれないで、久しぶりにプレイをすると、毎回ロープを切られ、鈍器で襲われる。



これの繰り返しでした。


僕の誕生日プレゼントに、“もう外せないやつを貴方へ”と書いたメッセージカードと共に、手錠をもらった時は、イラっとしました。


「これ、俺へのプレゼントか?」と思い、複雑な気持ちになりましたが、手料理の美味しさや、二人で飲んだ赤ワインにテンションも上がり、僕は許してしまったのです。



僕もロープではなく、手錠なら大丈夫だと思い、その日の夜、久しぶりにそういう関係になりました。


ところが、彼女は手錠を外して、僕がプレゼントした鉄アレイで殴りかかってきました。



手錠まではずせるなんて、さすが元グリーンベレーだ、と思いましたが、毎回殴りかかられるのは、たまったもんじゃありません。



こうして、性生活は少なくなっていきました。


普段の会話は仲良く過ごしていましたし、喧嘩の原因は、彼女の異常な性癖だけでしたから、しばらくは僕にとって、平穏な日々が流れました。


しかし、それは長くは続きませんでした。


次第に、プレイとか関係なく、後ろを向いたら鈍器で襲いかかってくるようになったのです。



僕は、もうさすがに暮らしていけないと思いました。


離婚を切り出しました。


嫁も僕との喧嘩に疲れ果てたのか、渋々、離婚を了承しましたが、「離婚するなら、最後に一回だけヤらせて」と、オッサンみたいなことを言ってきました。



僕は、それが原因で別れるのに、ありえないと反発しましたが、「それなら離婚に応じない」と向こうも駆け引きをしてきます。



「縛らないで、普通に正常位とかならいいよ」とこっちもプランBを提案しましたが、嫁は「ダメよ。縛られるのが興奮するの!」と一歩もひきません。


普通に正常位、がプランBであることの異常さに当時僕は気づいてませんでした。


普通に正常位はプランAだろ、普通。

彼女と暮らしていると普通の感覚が失われたいくのです。




結局、その日の夜です。



僕は、身を守るために嫁を包帯でぐるぐる巻きにして、息ができる穴と、そこに挿入すればいい穴をひとつずつ開けて、嫁をミイラのような状態にしました。



これなら、大丈夫。


そう思いましたが、目の前にあるのは、でっかいまゆみたいなかたまりです。


興奮しません。



でも、仕方なくお気に入りのAV女優のことを頭で妄想しながら、その穴に挿入しようとしました。



その瞬間、頭に衝撃が走り、僕は倒れました。


後ろを振り返ると、嫁が立っています。


「な、なぜ」



気を失いそうな寸前で、でっかい繭を見つめていると、眉の中から、シラク大統領が出てきました。


フランスの当時の大統領です。


それからも、結局離婚はしてくれず、プレイをせがまれ、毎回鈍器で殴りかかられました。


そして、毎回シラク大統領が出てきます。


この状況では、お笑いはできない。

そう思って、僕は嫁から逃げて東京にきました。


この状況、というのを細かく言うと、【でっかい繭からシラク大統領が出てくる状況】のことです。


こんな状況ではお笑いはできませんよね?


もちろん、色んな先輩にも相談はしました。



「毎回シラク大統領出てくるのか?」

「はい。毎回です」

「それじゃ、お笑いはできないかもな」



こんなアドバイスをもらっていました。




同期にも相談しました。



「毎回、シラク大統領出てくるんか?」

「せやねーん」

「それやったら、お笑いは難しいんちゃう?」



頼れるのは同期ですね。

アドバイス、ホントに嬉しかったです。




ライブの主催者さんにも相談しました。


「毎回シラク大統領出てくるんですか?」

「そうなんですけど、ライブは出たいです」

「でも、シラク大統領来るかもしれないとなると、ライブに呼びにくいねえ」



そう言われてしまいました。



占い師のところにも行きました。

水晶を手で覆いながら「シラク大統領が毎回出てくるんでしょ?」と言われました。



「お笑いは無理っすかね」

「うーん、セックスの時、毎回シラク大統領が出てくるのなら、お笑いはちょっと厳しいかもねえ」



占い師のオババにも感謝です。




もう、ダメだ。そう思って、大阪を逃げて、東京にやってきたのです。


長くなりましたが、みなさんに、一度、“性”について考えてもらうために書きました。




この文章が中学校一年生の2026年の保健体育の教科書に載るらしいですが、明日を生きる子供たちに、少しでもパートナーを思いやる気持ちを育んでもらえたら、これに勝る喜びはありません。


芸人、ネタ作家、短編小説家。“理系の変な奴”は自分で髪の毛を切ります。それが私。ついでの用事が二個ないとお墓参りに行かないです。

Twitter、noteなど色々やってます。

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