再婚
「オッケイ、1人潰した。」
「ちょ、圭人早くヘルプ来て。パーセントおかしいことになってる。」
「おけ」
今やっているのは大人気ビデオゲームのスマブラ。
その中にあるオンライン2vs2をやっているところだ。
俺、青木圭人が操作している剣キャラ使いのキャラが相手をバーストしたところで、味方の河野咲がヘルプを出したので咲が使っている体術使いのキャラの所へ行った。
あとは2人の連携攻撃で勝てる。
難易度はそれほど高くないがこの3時間ぶっとうしでこのゲームをやっているためもしもがあった。
(どうかこの3時間よ報われろ)
そう思い2人で連携攻撃を始めて行く。
そのまま相手は何も出来ず最後のスマッシュでバーストする。
「「よっしゃーー」」
思わず2人して叫ぶ。
何故ここまで嬉しいかと言うと、咲が「どうせ明日休みだし縛り入れない?」と言ってきたので軽い気持ちで「最近実況者がやってる10連勝は?」と言って今に至る。
今は夜の7時。
学校終わってすぐの4時から始めたのでまだ夕食も食べていないため2人で2階からリビングへ向かった。
何故妹でもない女の子とこんな時間まで一緒なのかというと、それを説明するには約2週間前に遡る。
「再婚⁉︎しかも相手が咲のお母さん?」
夕食後、父さんから「話がある」と言われ座っていた。
咲とは保育園の時からの仲でいわば幼なじみだ。
2人とも片親であり、俺の場合は父親、咲の場合は母親だけしかいなかった。
(いや待て待て、確かにこの2人最近すごい仲がいいとは思っていたけども。まさかそこまでかよ。)
最近よく咲と咲のお母さんがうちに来ることは確かに多かった。
だいたい1週間に2、3回ぐらいか?
「まぁ別に急ぎという訳でもないし圭人と咲ちゃんが嫌ならこの話はなかったことにしようと思っている。
そんな真剣に考えなくてもいいぞ。俺は今のままでも満足だからな。
とりあえず1週間後までに答えを聞かせてくれ。」
そう言って「洗い物任せた」と浴室へと向かった。
(とりあえず後で聞くか。)
そう思いいつもどうり食器を洗う。
あの後食器を洗ったあと風呂から出てきた父さんに続いて風呂に入った。
そして出た頃には時刻は8:30。咲がメールアプリのLINEから咲が『ろ』と送ってきたのを確認しスマホに『け』と送る。
圭人と咲の間では何年か前からいつもの会話は1文字で行われている。
今の『ろ』と『け』はゲームをやろの"ろ"とおけの"け"という意味である。
そして大抵最初にやるゲームはスマブラだ。
これらは昔からの付き合いだからかいつの間にかこうなっていた。
とりあえずスイッチを起動しLINE通話を始めた。
「なぁ咲、お前話聞いた?」
『うん。一応ね。まぁもうOK出したけど。』
「マジで!?俺まだ迷ってるわ。」
『なんで?』
「いや、俺とお前の親の結婚ってことは俺ら一緒に暮らすってことだろ。
それは男子中学生には少々重たいというか……。
あ、部屋出来た。」
『はぁ』
咲は呆れたとばかりにため息をついた。
そして部屋というのはスマブラ内のマッチング用の部屋のことだ。
『別にそれは今更じゃないの?
それにお母さん達がせっかく上手くいくのに私たちのせいでなしってのも嫌じゃない?』
「……確かに。ちょっとくらいはがまんするか――」
『それに圭人が弟になると常にオンの2vs2出来たり、FPS系も隣でできるからやりやすいし。』
「お前絶対それ目的だろ。それと誕生日的に俺が兄だ。」
『えー、じゃあ次の3先勝った方が上ってことね』
「おっけー。久しぶりに本気出すわ。」
そうして約30分後俺が兄になることが決まった。
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