018/100 東方の鬼
前回、遂に魔物を倒す事ができたアルトくん!
すこしずつ成長してるんだね! (涙)
——正午より少し前に僕達は昼食を取る事にした。
メニューはホビット族特有の保存食、爬虫類の干物と木の実類かな。
と勝手に自分の知識から想像していたけど…
見た事のない真っ白で柔らかそうな三角が差し出された。
「アルトさんは酸っぱいと塩辛いどっちが好きですか?」
「はっはっ、止めておけハナ。
西の者に梅干しおにぎりは少々刺激が強すぎるだろう」
何か小馬鹿にされたような気がするけど、気のせいじゃないな。
「じゃあハナちゃん!
その梅干しおにぎりってやつをちょうだい!」
「アルト、お前威勢だけは本当に一人前だな!」
あれっ、サクに初めて名前で呼ばれた気がする…
ってそれ女の子に思うやつ!
「サクはいちいちうるさいんだよ!!」
まあ、少しは認めてくれたんだろうけど。
というか…、サクとまともに話したの初めてかもしれないぞ。
「ご主人様ぁー、あたしは止めといた方がいいと思いますけどー」
男に二言はない!!
シャルルの助言を振り切り、僕は意を決して梅干しおにぎりを食べた。
モグモグモグ…
「お、おいしい!
なんだこのモチモチした食感は!
そして、全然酸っぱくない!」
勝ち誇った僕を見てハナちゃんがもう一口食べてみてと手で催促してくる。
何度食べても結果は同じだろうと思いながらもう一口。
モグモグッ…!?
「ぎゃーーー!!
すっぱーーーーー!!」
顔がひん曲がるほどの酸っぱさだ!
王国ピクルスの数倍は酸っぱいぞこれ!!?
「はっはっはっ、ハナお前も人が悪いぞ!
アルト、おにぎりは白飯で具を包む食べ物だ。
よーく覚えておくんだな」
「ふふふ、アルトさん子供みたいでかわいいです、はい」
「だから言ったじゃないですかー!!」
なるほど一口目の時、僕は梅干しまで到達していなかった。
というのか…
って先に言ってよハナちゃん!!
他にも漬物というピクルスに似た保存食も食べさせてもらった。
梅干しよりは食べやすいけどこれも酸っぱい!
それにしてもホビットらしくない食べ物だな。
そこで僕はずっと気になっていた事を尋ねてみた。
「ハナちゃんとサクってさ…
ホビットなのに何ていうかホビットじゃないみたいだよね?
月の精霊とかおにぎりとか…」
「えっと…」と戸惑いながらハナちゃんは寝転がっているサクの方を見る。
サクは咥えていた楊枝を飛ばし、体をすこし起こした。
「別に隠すつもりはない。
俺達兄妹は、東方の鬼に育てられたんだよ」
なるほど…
とても複雑な生い立ちだけど合点がいく。
それでハナちゃんは、月の精霊と契約出来たんだ。
東方についてはあまり情報がなく、僕も文献を読んだ程度の知識しかないけど…
東方の鬼は知性を持つ鬼。
そのため魔物であるオーガーと区別するため俗に鬼人と呼ばれる種族だ。
見た目は人に近いけど角があり、人の数倍の身体能力を持つ。
それにしても東方の食文化は興味深いな。
披露する場所も時間もないけれど僕は料理が得意なのである!
人に振る舞った記憶はないけど…
「そうなんだ。
だから月の精霊魔法が使えたりするんだね。
じゃあサクのその鞘に入ってるのは刀ってやつかな?」
僕は二人の生い立ちに触れないよう話を変えた。
「アルト、詳しいじゃないか!
そう、これは大業物といって、この世に十六振りしかない名刀だ。
名を阿修羅という。
最上大業物八工、大業物十六工、良業物二十五工、業物五十工!
鬼人の匠達が作り出した名刀が全九十九振り存在する!!」
しまった…サクの変なスイッチを入れてしまったかも。
「だが俺は最上大業物よりさらに上位、始祖の刀が存在すると睨んでいる!
その刀を——」
そこまでサクが話したところでハナちゃんが割って入る。
「兄様、その話は何度も聞きました、です。
今話す話でもないでしょ。」
「ちっ、せっかく人が上機嫌に話しているのに話の腰を折りやがって!」
ハナちゃんの言う事は聞くんだ…
まだまだ続きますのでブクマよろしくです!
みんなみたいに章とかつくってみようかな。




