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015/100 ハナサク

本日おでかけしておりました!


——その夜、僕は眠れなかった。


「あんな約束しちゃってよかったんですかー?

 ご主人様ぁー」


 寝巻き姿のシャルルがホビットの赤子用ゆりかごから顔を覗かせている。


「シャルル、まだ起きてたんだ」


「ご主人様こそ」


 確かにシャルルの言う通り。


 まずは王国のみんなを復活させるべきだ。


 でも…、魔王軍の侵略で失われたたくさんの大切な命。


 中には戦う意志がなかった人達もいたはずだ。


 種族とかそんなの関係なく、みんなの命を取り戻したい。


「僕は、みんなを助けたいんだ…」


 僕は今日の一件でそう強く思うようになった。


「はぁ〜、まずはFランクになって力を解放しなきゃです。

 あたしも援護するんで明日はがんばって魔物、倒してくださいね!」


 そう言うとシャルルは眠たそうにゆりかごへと首を引っ込めた。


 いつもありがとう、シャルル。


 そっと僕がゆりかごを覗くとすでにすぴーすぴーとかわいい音を奏でている。


 素敵な演奏の邪魔にならないように、そっとブランケットを掛けておこう。









——ホビットの村に朝日が昇る。


 僕とシャルルはクロフォードさんと村の入り口で合流する約束だ。


「古来より世界の岐かれ道には…運命の紡ぎし者が現れるという。

 アルト君、おぬしが選ばれたようじゃの」


「きゃーー!!

 村の中に魔物がいますわー!!」


 シャルルは驚いて僕の新調した皮のカバンに隠れた。


 誰かが近づいてくる気配は全くなかったけど…


 先端に宝玉があしらわれたあの杖は、ホビット族に代々受け継がれる遺物アーティファクト


 顔全体毛むくじゃらでホビットには見えないけど…きっとホビットの族長だ。


「はじめましてアルトと申します。

 この子はシャルルです。

 えっと、宿から食事まで何から何まで用意してもらって…

 本当にありがとうございます!」


「ふぉふぉ、察が良い若者のようじゃ。

 如何にも、わしがホビット族の長オラルゴンじゃ」


「魔物にしかみえないですけどねー。

 本当に族長なんですかね?」


 初対面の人に絶対失礼な事を言うよな、シャルルって。


「ふぉふぉ、お転婆な娘さんじゃの。

 さて、お前さん達に伝える事があって来たんじゃ。

 クロフォード殿はエルフの女王に呼び出されて、もう此処にはおらん」


 エルフの女王は魔王と同等の力を持つと言い伝わる。

 実際に会った事のある他種族はほとんどいないはずだ…

 その女王に呼び出されるなんて、どれほどの要件か想像もつかない。


「そうか…、クロフォードさんなしに王都までいかなきゃいけないのか…」


「ふぉふぉふぉ、心配せんでもよい。

 代わりの者を用意してくれと頼まれておる。

 ほれ、出てこんか」


 女性のホビットが村長の後ろから恥かしそうにひょっこりと顔を出した。 


「お、おはようございます、です。

 えっと、ハナといいます。

 回復魔法が少しだけ使えたりします。

 よろしくです。」


 ずっと地面と話ながら、髪の毛の隙間から僕の方をちらちらと見てくる。


 髪の毛がなびくたびに、いい香りが風に乗り僕に届いた。


 とてもお淑やかそうでシャルルとは正反対だ。


 これから王都までの道のりを共に冒険する仲間だ。


 うん、仲良くしなくちゃ!


 僕はそう思って右手を差し出した。


 そして彼女が左手を差しだそうとした瞬間、僕は痛みと共に天を仰いだ。


「痛ったぁーーー!!」


 一体何が起こったんだ!


「に、兄様!

 アルトさんになんて事するんですか!!」


 何者かが後ろから僕の足を払ったのか?


「貴様ぁ!

 俺の妹に気安く触るんじゃない!!」


 もう一人誰かいる!?

 

「鼻の下伸ばしてるからそんな事になるんですよーだ!

 ご主人様のばーかっ!!」


「ぎゃあーーー!!」


 仰向けに倒れた僕は追い打ちに腕十字を食らってノックアウト寸前だ。


「ふぉふぉふぉ、サクよ、その辺りで勘弁してあげなさい。」


「すみません、長。

 あまりに下品な顔だったものでつい手が出てしまいました」


「アルト君、大丈夫かの?

 少々乱暴なところはあるがサクは腕が立つ

 きっとこの先役立つじゃろう」


 僕は奇襲を受けて息が上がっていたので深く頷き村長に無事を伝えた。


「これは我らホビット族の恩人であるクロフォード殿の頼みじゃ。

 護衛の任務よろしく頼むぞ、お前達」


「「はいっ!」」


 初対面なのにとても失礼な奴だな…


 足も出てたと思うけど何も言わないでおこう。

 

 それにしても…、ホビット族に戦士や術師がいるなんて聞いた事がないな。


 こんな乱暴なやつと一緒に冒険なんて出来るんだろうか。

 

 うーん、先が思いやられるな…


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