俺達の黒歴史
なりきりチャットって知ってる?
昔、俺はとあるゲームのファンサイトを経営していた。
犬の鳴く頃にというホラーゲームのなりきりチャットを主なコンテンツにしたサイトである。
犬の鳴く頃にというゲームは、とある村で発生した連続怪死・失踪事件の顛末を描いた連作式のミステリーである。ゲームのシステムはサウンドノベルなのだが、このゲーム一切選択肢は存在しない。 キャッチコピーは確か、「祟りか、殺人か?」だったかな? 内容は自身で推理しながら想像を膨らませ真犯人を探す・・・だったはず。
ファンサイトを開設した頃はまだ物語全てが明らかになってなく自身のサイト、「いぬなく暮らし」に集まってくれたファンの皆と日々推理に明け暮れたものだ。
段々、それだけでは物足りなくなりサイトの皆となりきりチャット、通称「なりちゃ」をやり始め犬鳴くのキャラになりきってオリジナルの物語を作って遊んでいた。
犬鳴くのゲームが完結した頃には、少し皆モチベーションが落ちてきたのかあまり、なりちゃをせず現実の話も含んだ会話を楽しんでいた。
そんな時、誰かが皆で完全オリジナルのなりきりチャットをやってみないか?と提案し、出来たのが「ハティトスコール物語」である。
ハティトスコール物語とは、王都「アルス マグナ」に住む俺達が帝国「エクセキュート」と闘うといった内容。
物語の内容はそこまで覚えていないのだが、楽しかった記憶はある。
設定とかはかなりざっくりだったが、皆自身のキャラクターは個性的だった記憶がある。
例えば、俺のキャラクター ハギハラ セツナは王都に住む万年貧乏冒険者。中肉中背、髪は黒、軽装の服に短剣、職業はシーフ。
一攫千金を夢見てとある村からやってきたが、中々上手くいかず日々をただ自堕落に過ごすキャラクターだった。
性格は、めんどくさがりやだが仲間の為には熱くなるテンプレ的な感じ。
完全にモブキャラ扱いと変わらない気がしてならないな。