(44)やっぱり、浮島といえば……
さて、どうやって蜃気楼の森に行けるのか、考えた結果ーーー
うむ。あの賢者様を納得させる何て
正直ムリっ!!キッパリ、バッサリ、論破されるわ。
だから、ここは、とりあえず
素直にお願いしますか!
「賢者様、私も行きたいです。そして、蜃気楼の森がどんな所か見たいです!どうか、お願いします」
「にゃにゃにゃっ!リイアさんは、蜃気楼の森に行きたいですかにゃ、リイアさんがぼくを呼んでくれたから、あの美味しいお菓子をご馳走して貰って、嬉しかったですにゃ♪ぜひ、うちにも来てほしいにゃ」
モカさんが、何と私をお家に、お招きしてくれた。
それを聞いた賢者様は、困った表情で、顎に手を当てながら、こちらを見て、そして、後ろにいた。私の両親達に顔を向けて話しかける。
「ローガン君、リリーさん、獣族と精霊の子に招かれたからには、行かないとね。あと、モカさんのご家族にも、リイアちゃんが、モカさんをうっかり召喚した事も、説明しないとね」
「賢者様、そちらのモカさんが来た理由が、うちのリイアが原因なら、親の私達も、もちろん、一緒に行かせてください」
「父さま、母さま、レーアも!」
「レーアが行くなら、俺も行くぞ!」
こうして、私達は、あっさりと、蜃気楼の森に行ける事になったのだった。
◇
「えーーっあの、空に見える土が島なの!!」
賢者様が、私達にも教えてくれた。モカさんの住んでいる所は、何と空に浮かんでる浮島で、『タータニア』って名前らしい。
そう、私はその空に浮かぶ浮島の全体を見てない。屋上にいた大人達は、来る瞬間に立ち会ってるから、浮島の姿を見たそうだ。
そうなんだよ!山やお城みたいな巨大な物は、遠くからじゃないと全体像が見えないんだー
見たかったよ。浮島、つまり、ラピ〇タ~ッ
「…‥…はあ、私も、タータニアが飛んできた所、見たかったな………」
ショボンとしていた私に
ルノーお祖父様とジュール様がこちらに手招きする。
「リイアほら、浮島が見たいんだろう」
お祖父様が取り出したのは、映像を記録した魔道具だった。
「お祖父様、ジュール様、もしかして写してたの!?」
「神殿は、何か起こった事は、映像か音声でも、なるべく残すようにしてるから、今回も神殿に来る飛来物の映像は記録してたんだよ」
「そうなんだ!見たいです。お祖父様」
「レーアも見たいです!」「俺も!」
浮島の映像を皆で見る事に
浮かびあがった映像には、アムカの神殿の
上空が写っており、青空に浮かぶ白い雲が流れてる様子を見てると、やがて、雲の間から何かが現れた。
ーー緑溢れる浮島の姿を。
(うわーっすごい!マジで、ラピュ〇みたい!!飛んでるやん。映画やゲームみたいだね)
「けど、こんな大きいな島が、空に飛んでたの、何で今まで、気づかなかったんだ?」
疑問に思ったフォルが呟いたら
「『タータニア』はラクーシュの作り主が、簡単に見つからないように、あの島は、結界水晶で見えなくしたり、移動したり、空間移動もしてるから、知ってる人は少ないんだ」
賢者様が、すぐに答えてくれた。
なるほど、あの浮島は、あのラクーシュの作った奴らが作った島だったのか、蜃気楼の森があるから、ゲームの舞台だよね。
そう簡単に見つからないはずなのに
けど、今は島が見えてる状態だ。
そういや、賢者様が
「上でも事件が起こってる」って言ってたし、
何があったのか、気になるけど
今は、浮島へ行ける事になった
ワクワクが止まらないのだった。