(23)ついに行くよ!!アムカへ
アムカに行くには、前に猫陛下ことハク陛下が移転の
魔方陣を王宮内にある神殿に準備しているとの事
早速、王宮の使用人さんが私達家族と見送りに来てくれた
お祖父様とお祖母様、そして従兄弟のフォルも何故か
付いてきて一緒に神殿へ案内してもらう。
王宮も白くて綺麗な石造りの建物だけど神殿は
透明なガラス張りで出来た建物だった。
私達を案内する使用人さんが神殿の扉を開けると
部屋の中には左右にはベンチみたいな椅子が置かれ
奥の祭壇の後ろには水が溢れるように飛び出している噴水が見える。
その前には、麗人宰相のアウルさんと………
ってどなたですか!!!!
アウルさんの隣には鋭い目つきの白銀色の髪を持つ男性がいた。
そして父様がその人に向かって
「陛下、お待たせ致しました。アムカへの転移よろしくお願い致します」
エエエエー!!!!
待ってください。その人、猫陛下なの!?
アウルさんの膝の上に乗っていた可愛い猫様が!!
嘘でしょだって
父様とお祖父様より背が高くって体型もスゴいんですけど!
私の想像した猫陛下の人間の姿は王子様のようなスラッとして
プラチナブロンドの青い目をした貴公子を想像していのに
ワイルドマッスルな姿だと……予想外すぎるわ
「うむ、ではこの神殿から、そなた達家族を
アムカの大神殿に移転させよう」
その姿の時は、お声は低い男性の声なんですね
猫の時は、可愛い声なのにやはり摩訶不思議ファンタジー仕様って事か、うん。
私の横にいたレーアが陛下を見て
「王さま?きょうは、にゃんにゃん じゃないの?」
不思議そうに聞いてきた。
やめて、レーア幼児特有の天然ツッコミは!
「レーアよ 我も猫の姿の方が色々と楽なのだが
大掛かりな魔力を使う時は、人の時ではないと上手く出来ないのだ」
そうなんだと私が思っていたら
「では、アムカへ行く者はこちらに集まってくれるか」
ハク陛下が言うと私達家族一同は陛下の前に集まると
そして、一緒に来ていたお祖父様達が
「ローガン、リリーとリイア、レーアを宜しく頼むぞ」
「リリーあなたも大変だけど無理せずローガンを頼るのですよ」
そう私達に声を掛けた後、突然フォルが
レーアを抱いて足首を掴み、そして何かを唱える
『我とこの者が遠く離れても
この足首に巻かれよ“運命のロープ”』
フォルが掴んでいたレーアの足首を離すと
そこには薄く赤色したロープみたいな線が浮かび上がっていた。
それを見た母様が
「あらら、フォルったらレーアと離ればなれになるのが、そんな嫌だったのね。たしかに運命の赤いロープならどんなに遠く相手がいてもお互い感じられて、感知できるからある意味便利な魔法よね」
(はあ!何その運命の赤いロープって!?糸より強固そうで嫌なイメージだよ!そんな魔法をレーアにしたのフォルは!)
フォルはレーアに
「これでどんなに離れた場所にいてもレーアがわかるからな」
レーアは自分の足首にできた赤いロープ模様を見て
「そうなのフォル遠くにいてもわかるの?」
「ああ、ほら俺の足首にも浮かんでるぜ。赤いロープ」
抱いていたレーアを降ろしてズボンをめくり見せる
そこにはレーアの足首と同じ模様があった。
「ちょっとフォル、何レーアにそんな怪しい魔法をかけてんのよ」
私が喚くとフォルは
「うるさい、リイアお前はレーアとアムカに一緒に行けるからいいけどな。俺はお前らの留守をお祖父様と守る為にここから離れられないんだ。だから、レーアにこの運命のロープを掛けて、お互いわかるようにしたのが何が悪い」
私の顔を見ながら悔しそうに答えた。
「リイア、そう言うことだから、フォルもレーアから離れたくないから、あんな事してしまったのよ。けどフォルもダメよレーアに、ちゃんと聞いて魔法をかけなきゃ赤いロープの色を見てごらんなさい。その色の薄さから一ヶ月で消えてしまうわよ」
お婆様が微笑みながら言うと
フォルは、レーアの足首の赤いロープの色を見て
悔しそうに
「くっそーまだ俺のレベルが足りなかったのか、
次は一生解けないように魔法をかけてやる……」
そんなフォルを見て私は思わず
「そんな魔法なんか、わたしがかけせないわよ!!フォル」
私とフォルが睨みあっていた横では
「うふふふ、赤いのフォルとおそろいだね♪」
喜んでるレーアがいた。
◆
「さて、別れの挨拶も済んだようだな アムカへ出立するか」
ハク陛下にそう言われてようやく私達はアムカに移転する事に
陛下が指先で何かを書くしぐさをすると
私達家族の前に六角形の形の線が浮かび上がり
その線が輝くと陛下が呪文を唱える
『目的地へ転移せよ“転移陣ねこホイホイ”』
まって!!今の何かオカシイ単語が!?
ねこホイホイってーーーー!?
叫びそうになった瞬間に回りの風景が変わり
気付いたら床に浮かび上がった六角形の線の中に私達家族はいた。
そして、その前にいた人が
「ようこそ、いらしゃったアムカの大神殿へ」
と言ってくれたのだったーー。