(18)モフモフ、モコモコなのに癒されなかったよ。
まさか、うちの可愛い妹に嫉妬丸出しでさらに
独占欲が強い男が隣にいたよ。それも従兄弟だよ。
めんどいよ。ぶん殴りたいよ。
だってフォルのあの発言と態度を見て何か腹立つしイライラするし……
絶対、レーアが苦労するのが目に見える。
今はあれぐらいで済んでるけど、これから成長する事に制限が酷くなる可能性が高い、他の男とは一緒にいるな。あと友人と勝手に遊びに行くなとか、その他、その他イチイチかまってきて、ウザイのなんの下手こいたら、ヤンデレ一歩手前になるし面倒だったわ。
ったく、何なの昔からあの手の奴に苦労したのに
何で、妹まで………私みたいに苦労する……って
苦労って……
あれ、昔?……そんな昔ってうーん。
昔って、あっ!これって、前世で私が体験した事を
無意識に思い出してるの?
何故か、はっきりとは思い出せんけど……
自分の心の奥底からそれは蓋を開けないで閉めといてと囁いてる。
ーーおまえの恥ずかしい記憶が甦るよって!
よし、余計な事はせず、そろそろ寝るか
おやすみなさい。
◇
ふあふあ、薄いクリーム色した空間が広がってる場所に私はいた。
ーーここは?
『やあリイアおひさー僕だよ』
気づいたら目の前には真っ白な毛並みのモフモフ
そう『アルパカ』がいた。
そのアルパカは前世、ネットでみたイケメン風の髪形にされたアルパカだった。
そんなモコモコの生き物に向かって聞いてみた。
「か、神様なの…?」
アルパカは顔をプルプルさせて
『そうだよリイア、今この世界の神様としての役目をしている3番目の作り主だよ。アルパカの姿で現れたのはリイアが前に僕の事を殴るって言ったから、殴られないように可愛いアルパカにしたんだよ。動物好きな君なら殴れまい。あはははは』
こ……こいつ、私をモフモフ、モコモコ好き動物大好きと知ってからのその格好だと、卑怯な手を
くっ悔しいが殴れない。むしろ、触りたい。
いや触らせてくださいと言いたくなる。
中身はアレなのにチキショーがっ
私が内心、悔しがってると神様ことアルパカ神は
『そうそう、そんな話をしに来たわけじゃなく本題は、君に僕の力を授ける為に夢に出てきたんだ。じゃ早速だけど君の魂にちょいちょいと付与するねっ』
ーーアルパカ神が蹄の先を私に向けてきた。
ちょっいきなりすぎだろ、このヤローと思っていたら
ーー
ーーーー
ーーーーーーーーーー
『あ、あれ?オカシイな君に僕の力を授けられない?ん?う~~~ん。今はじめて気づいたんだけど、君の魂には何やらプロテクトがされてるや。困ったな、魂に僕の力を授けられないんじゃ君をレベル∞(無限大)に出来ないよ。どうしようw』
「はっ?何それ、じゃあ私に力を授けられないって事は巫女も出来ないって事じゃない。それだったらもう私は巫女の役目なんてしなくても良いんじゃなの?」
そう言った私にアルパカ神は
『それは、撤回できないんだよ~宿命の糸で君を縛ってるから今、巫女の役目を放棄したら君は不幸のドン底だよ。それに君の妹の役回りが早くなるだけさ』
何だってこのアルパカ!?
じゃあ、どうするのよ。神の力を授けられない巫女なんて
あり得ないわよ。
アルパカ神がプルプルと頭をゆらすと
『よし、これしか今は手がないや、君の体に直接、神の力を授けようね♪』
アルパカがまた蹄を私に向けてクルクルと回す。
私の体の周りが輝きだす。うわっ眩しいと思った瞬間。
『終わったよ リイア、いや新しいラクーシュの巫女よ』
「へっ?今ので私は力を授けてもらったの?」
『うん。そう君の体にあった魔力を宿る場所に魔力と神の力を半々にして入れといたからさ♪』
アルパカ神が嬉しそうに答えた。
ん、魔力と神の力を半々に入れたって?ーー
『そう、魂になら僕の力を供給できるんだけど君の場合出来ないから身体に付与したんだ。良かった、良かった。これで君は神の巫女として力を使えるようなったよ。ただし、レベルは∞(無限大)じゃないけどね。』
ーーレベル∞(無限大)じゃない?
それって、どういう事だ。……嫌な予感がする。
「アルパカ神様、レベルが無限大じゃないってどう言うことなの!教えて」
アルパカ神のイケメン前髪が揺れて
そして円らな目で私を見つめるとーー
『ん、だって体のレベルに合わせてからのスタートだからレベルは0だよ。巫女レベル0!だからがんばって修行して力を沢山使えるようなろうねっリイア』
それを聞いた私は
「レベル0って、何よ。それーーーーーーっ
初めて聞いたわ!1じゃないのか!!普通は!」
『仕方ないよ、リイアは神を罵倒したりしたから、信心が足りないって事でレベル0なんだよ。ちょっとでも神様を敬ってくれれば巫女レベルはあがるはずさっ じゃさこれでね。バイバーイ♪」
そう言ってアルパカ神は目の前から居なくなった後
私は夢の中で茫然としていた。
こうして、私は神の巫女を
レベル0からはじまる事になってしまったのだ。