(17)私はかまってちゃんを認めない。
隣であーん、うふふ、おいしいねってしてる事に
気づかなかったリイア・レイ・クラウンです。
母様に思わず聞いてしまった。
「母さま何であのフォルとレーアが普通にご飯を食べさせあっていますけど」
「リイアはいつも食事に集中していたから気づいてなかったけどフォルとレーアは一緒に食事する時は、いつもお互いに食べさせあってるわよ」
うふふっと笑顔で母様は教えくれました。
なんと、私だけが気づいてなかったと衝撃の事実を知りました。
お祖母様も笑顔で
「リイアは知らなかったの、フォルは確かに意地悪な事ばっかり言ってるのはあなたにべったりしてるレーアについつい意地悪して気を引いてだけよ。ほら二人一緒にしたらあんなに仲よくしてるわ」
ええーーーっ何それ!小学生男子か
「フォルも性格は母親の気紛れな猫人族の気質もあるけど大部分は父親の狼人族を受け継いだみたいだから、好きになった相手にはずっと一途よ。だからレーアは将来フォルのお嫁さんになるわね。確実に」
母様がそんな事を言うとお祖母様も嬉しそうに
「そうね、リリー レーアが結婚できる歳になったら直ぐ様フォルも結婚を申し込むかもしなれいわ。その時の為にも素敵な結婚衣装を用意しましょう。楽しみだわ」
何言ってるんですか母様とお祖母様
結婚って気が早すぎ、レーアの意志もちゃんと聞いてから
そんな話したらいいのにと私は思っていたら
ん?そう言えば……
ふと、ゲームの事を思い出す。
フォルって私が亡くなる頃に確か戦争に巻き込まれて
行方不明になるくだりがあったはず
そして、2つの月に向かってレーアが
こんな事を言うセリフが……
『フォル兄様……あの月のようにいつも側にいたのに……何処にいるの……どうかご無事ならレイアの所に帰って来てお願い……』
って悲しそうにしてるシーンがあったよ。
って今思うとレーアもフォルの事が好きじゃねーかよ!
もしかして戦争を回避しないと
あの二人を引き裂くことになるんじゃ……
うわーゲームの進行上そうなりそうだ。
それに私が亡くなった後はレーアに好意的な人は殆どいない、居たとしても、それはレーアを利用しようとする輩ばかりで最悪だ。
そして私はゲームのシナリオを途中までしかプレイしてないから、私の予測だけど
もしフォルがレーアの所へ帰ってくるシナリオがあるなら
スペアの事を知らないフォルが
私の姿のレーアを見て、レーアだと気づいて
私の姿で愛せるのか
それか、やはり気づかないままレーアを
私として見てしまうのか……
フォルに嫌われるのを恐れて傷つくレーアを想像できてしまう。
うっ想像しただけなのに鬱展開だ……
やっぱり、それを回避するには、
私が死なない事が一番だ。
その為にはまず何をしたらいいのか
考えなければいけない-ー
◇
「ねえさま、これ美味しいよ食べて~」
レーアが嬉しそうに私に向かってクレールさんが持ってきた黒魔魚のフライを差し出してきた。
「ありがとうレーア」それを食べようとした瞬間
「レイア、リーアは自分で食べるから俺に食わせろ」
バクっとフォルに魔魚のフライを奪われた。
「ちょっとフォル何するのせっかくレーアがわたしにってくれるご飯をとったわね。ゆるさないから!!」
「はあ、うるさいレーアがくれるご飯は俺のだ」
「なんですってーこのかまってちゃん男子めぇぇぇっ」
こんな独占欲丸出しの男がレーアの相手だと!?
私は認めない。認めないぞフォル
よし、決めたレーアには私がもっといい男を探して紹介する。
その為には死ぬ事を回避してやると心に固く誓った。