(13)自由すぎなのも問題あり!
そういえば、いつもなら宮殿には
沢山の猫人の王族の方がいるのに今日は何故か
王族様達はいらっしゃらない?なんでだろうと
疑問に思っていたら
「今日は、他の王族の皆様方達はどうしましたか?」
母様が聞くと、アウル様が無表情で
「朝、珍しく早起きしていると思ったら
皆様方はデカイ魔魚を捕ってくるーとおっしゃって
護衛を連れて、ストルの海に行かれました。陛下だけ残して」
なんてこったい、猫人族の王族様達は自由すぎる!
それを聞いた父、母は苦笑いしながら
「そうですか、なら仕方ないですね。」
納得している二人を見て王宮勤めも大変なんですねと
察しました。はい
「我も行きたかったニャー 魔魚も魔獸も最近は狩りをしてないから、ウズウズするニャー」
アウル様の膝上でよっぽど行きたかったのか
ナウナウ言ってる陛下にアウル様が容赦なく
「ハク陛下、もし勝手に狩りに出かけられた日には、私は陛下の婚約者候補から外れ、陛下との政務のやり取りはすべて部下を通してからしか貴方とは関わらないように致しますね」
おう、クールビューティーさんが良い笑顔で陛下を脅してる。
まあ、国の責任者が無責任じゃ臣下に示しが付かないから
アウル様が釘さしたんだよね。
ん、陛下が固まって表情がヤバイ、今にも魂が抜けそうだ。
そんなお二人のやり取りを内心ニマニマしながら
見ていたら父、母が陛下達に声をかける
「陛下、宰相殿 私達はアムカに向けての準備をしなければならないのでこれでおいとまします。ではまた後ほど移転の時には宜しくお願い致します」
フリーズした陛下を膝に置いたままのアウル様に
一緒にお辞儀して私達家族は、アムカに行く準備の為に
王宮を後にした。
◇
帰る馬車の中で、レーアが
「ねえさま 陛下に会えたの嬉しかったけど もっと、
たくさんの王族のにゃんにゃん様達にも会いたかったね」
レーアーッ
猫人の王族様達をそんな風に呼んでるの!?
まあ、陛下はニャーニャー言ってたし
にゃんにゃんって言ってもいいか……
まあ正直、陛下しか会えなかったので
ちょっとモフモフが足りなかったのはある
だから私もレーアの言葉に頷き、次こそは
沢山のモフモフを愛でたいと、思いながら馬車に揺られていた。