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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day20:9月15日/セ祭当日
76/82

⑷ 快調!

 フミカとオミは顔を見合わせてテンポを確認し


「 1..2..3..4.. 」


 とカウントを取り演奏をスタートした。



<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:2曲目:主よ人の望みの喜びよ>

https://youtu.be/RViqJcpM7JY



 『主よ、人の望みの喜びよ』はバッハの代表曲のひとつ。クラシックだけでなくジャズやポップスなどのアレンジも有名で、喫茶店の BGM でもよく聞く。女子ミッションスクールの3人が演奏するにはもってこいだ。


 フミカの演奏するシンセパートに絡むオミの電子オルガンはなかなか効果的で、ステージ上にはゆったりとくつろいだ空気が流れる。


 照明もそれに合わせ、二人のパートが入れ替わる毎にフヮっと淡い色で切り替わって行った。リサの演奏するピアニッシモなシンバルやベルツリーがシンセのフレーズを背後から包み込んでいる。


 テーマを何度も繰り返しながら徐々に二人のキーボードの絡みが複雑になりエンディングを迎えた。最後の数小節はリタルダンドで徐々に遅く、ラストはフェルマータで音を長く伸ばして曲が終わった。


 照明が徐々に明るくなり、客席からは暖かい拍手が送られる。


"うん、これも上手くいったな!"


 フミカがホッと息を吐くと、リサはタンバリンを片手に15センチほどの高さのドラム台を降り、電子オルガンの方へ歩きながらマイクでしゃべり始めた。


「ありがとうございました。バッハの...」


 一瞬、間を置いて、


「 ...曲でした。 」


 会場からまたクスクスと笑い声が聞こえる。本当に曲名を忘れたのか、演出でわざとやったのか... もし演出ならリサのおしゃべりの才能は中々のものかも知れない。


「それじゃ次は、ポップコーンっていって1970年代に大ヒットした曲です。シンセサイザー独特の音で、本当にポップコーンが跳ねてるみたいな曲なんですよ! 今でも吉本興業の番組のテーマ曲に使われたりする名曲です。」


 リサはオミの方を見ながら、


「さっきから、こっちのオミちゃんが演奏してる電子オルガンの上のシンセですけど、色々予算の関係もあって鍵盤がお手製なんですよ~! ゲームセンターの押しボタンが鍵盤代わりなんですけどね! もっと予算をかけて、ちゃんとした鍵盤を使いたいもんですねえ!」


 リサがそう言いながらボタン鍵盤を指差すと会場からまた笑いが起こった。


「それで、私がなんでドラムの台からこっちへ降りて来たかっていうと、タンバリンを片手で叩きながら、電子オルガンについてるリズムボックスのスイッチを切り替えるのを担当してるからなんです。電子オルガンを弾きながらスイッチを切り替えるのは無理なんで、私が横っちょから手を出して切り替えるっていう作戦です。え~と、セッティングにもうちょっと時間がかかりそうなんで、ここで私が勝手に歌詞を付けたポップコーンの歌をうたってみますね。」


 リサはそう言いながら歌い出した。


「『ピコピコピコピ、ポコポコ跳ねる、ポップコーンはとっても美味しいね』... ここまでしか考えてないんですけど~...」


 そんな事を言っている間にシンセのセッティングが完了した。


「あ、準備できたみたいなんで始めます。ポップコーン!」



<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:3曲目:ポップコーン>

https://youtu.be/Us_yKzlPFdE



 リサはそう言いながらリズムボックスのスイッチを押した。


 と、同時にオミが電子オルガンでロングトーンを演奏し始め、続いてフミカが伴奏のアルペジオを弾き始めた。


 フミカがメロディーを弾き出すと、会場から手拍子がおこり始めた。最初は遠慮がちに、徐々に自信ありげに...フミカもオミもポップスでのステージは初めてなので楽しい気分が倍増した。


 ただ、会場の手拍子は途中からテンポがズレてバラバラになったので、フミカは釣られないように手拍子を無視して演奏する事にした。楽しんで拍手してくれている観客には申し訳ないと思いつつも...


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