⑷ 練習開始!
計画通りオミが重低音を鳴らし、フミカはピアノを弾き始める。
リサがサエコから借りたウィンドチャイムやシンバルを鳴らすと、やたら雰囲気が出る、学校での練習とは大違いだ!
オミが途中からシーケンサーをスタートさせると、スタジオの中は一気に宇宙サウンドで溢れかえった。
『ウサン臭い』と思った進行表の<混沌から秩序へ>って言葉も、この音を聞くと納得出来てしまう。
演奏は予定通り3分で終了。
「こういうのって3分じゃ短く感じるもんだねえ。」
フミカはそう言いながらフと入口ドアのはめ込み窓を見てギョッとした。オミパパがカメラのレンズをガラスにピッタリつけて撮影しているではないか!
"大丈夫かな?通報されて捕まっちゃったりして"
と心配するフミカをよそに、
「大丈夫ですわ、そのうち飽きますから」
とオミは無視を決め込んでいる。
「だけど、シーケンサーって面白いよね。なんか自動的に演奏されて不思議! これって、今は8ステップだけど、500ステップくらいのシーケンサー作ったら、1曲全部を演奏させられちゃうんでしょ?」
「そうなんだけどさ、全部シーケンサーに演奏させちゃったら、フミカもオミも演奏しなくてもいいと思わない?」
「確かに! 機械が演奏するなら人間いらない... SFみたい! ロボットが全部やるから人間いなくていいです、みたいな...」
「先日のクラブ↑の演奏も、前もってシーケンサーにセットされた音を再生しながら VCF のツマミだけいじっていたという事でしょうか?」
「なるほど、そういう事だよね。」
「あ~、とすると、やっぱりボリューム調整係ってあり?」
「カッコいいツマミの回し方とかを練習したりして?」
「テクノって実は奥が深いんでしょうか?」
「う~ん、でもやっぱり...」
「私たちにテクノ無理だし」「私たちにテクノ無理だし」「私たちにテクノは無理ですし」
3人はまたしてもユニゾンして笑ってしまった。
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続けてバッハ、ポップコーンと練習し、休憩していると、サエコがスタジオに入ってきた。




