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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day17:9月7日/スタジオでリハる
64/82

⑶ シーケンサーも動かしてみた


 既にレンタルキーボードやドラムがセットされたスタジオに入ると、フミカたちはキーボードの上にボタン鍵盤とシンセを並べた。


 鍵盤と本体はカラフルな色のケーブルで接続されていた。


「このケーブル綺麗だよね!」

「これ全部で10色あって、色で番号を区別してるんだ。平べったいからフラットケーブルっていうのだ。茶色が0、黒が1、赤が2とかって決まってるの。」


「へ~! よく覚えられるね!」

「語呂合わせで覚えるんだ。黒は黒髪の令(0)嬢、茶色は茶店でひと(1)休み、赤は赤い人(2)参、みたいに... 黒い礼服とか小林一茶とか色々方言はあるみたいだけどね。」

「年号の語呂合わせみたい!」



挿絵(By みてみん)

これがフラットケーブル



挿絵(By みてみん)



「そそそ。Midi 接続だとケーブル1本だけで良いんだけど、ボタン鍵盤との間は、この長いフラットケーブルでダラ~ンとつなげるんで、ちょっと危ないんだけどね。」

「そだね、足引っかけたりしないように気をつけよ!」


 セッティングが終わると、リサは曲ごとのシンセのセッティングチャートを見せ、


「大体こんな感じでツマミをセットしてね。曲間にセットを変えて、チョイチョイと音鳴らして平気そうなら OK。なんたってアナログだから前と同じ音にはならないんで、あんまり深く考え過ぎないで『ま、こんなもんか?』って勢いで次に行って下さいな!」


 と笑いながら言った。


 二人が話す横では、さっきからオミパパがビデオカメラを回している。


「ほら、オーちゃんもなんかしゃべってしゃべって!」


 とオミに小声で指示を出すと


「お父様、私たちそろそろ練習を始めますから外に出ていただけますか? スタジオが狭いですし気になりますから!」


 冷たくあしらわれたオミパパは不満げに、


「え~! 折角撮ってるのに、いちゃだめなの? シンセ運ぶの重かったなあ、車も混んでたし~!」


 と子供ようにダダをこねたが、


「ささ、外へ出ていて下さいね!」


 オミは強硬にドアを開け、『エ~』とつぶやくオミパパは強制排除された。


     .     

     .     

     .     


 早速3人は本番通りの曲順で練習してみる事に...


 1曲目のオープニングは完成させたばかりのシーケンサーが活躍する。リサはシーケンサーを指差し、


「この部分がシーケンサーね。ここの8個のボリュームに8つの CV をセットしといて、端から順番に出力するの。これを VCO につなげば8つの音程が繰り返されるわけ。で、このボタンを押すと...」


 と『Start / Stop』と書かれたボタンを押した。


 すると『ピポパポピポ』と、シンセは8つの音程を繰り返して鳴り始めた。


「今、LED の点いてるとこのボリュームの CV が演奏されてるわけね。例えばこのボリュームを動かすと...」


 と言いながら1番目のボリュームを上下すると、1番目の LED が点くたびに音程が変化した。



<ixxxxx|922289>

<⭕YouTube による解説⭕:シーケンサーでピッチ変更>

https://youtu.be/DuR12MFmr8w



「こういう風に、欲しい音程を前もってセットしとくわけ。」

「それって、一回ボリューム動かしちゃったら元に戻せないの?」

「そりゃ自分で元のボリュームの位置に戻さない限り無理だね。コンピューターで記憶してるわけじゃないからね。」


 リサはそう言いながら、あちこちのボリュームを動かす。


「そうかそうか、アナログだもんね。」

「そそそ! 凄く面倒くさいのですぞ! 


 でも二度と同じにならないから、そこが面白いって人もいるわけね。


 あとこっちの Rateレートってボリュームを動かすと演奏スピードが変わるんで、雰囲気に合わせて調整してちょ! ってわけで1曲目からやってみようよ。」


 3人は学校の練習で決めたように、演奏時間確認用のスマホを目の前に置き演奏準備を始めた。


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