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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day14:8月23日/パネル工作騒動!
55/82

⑴ インターフェイス完成!

挿絵(By みてみん)

 8月23日、リサからの電話でフミカとオミは電子工作部室に集合した。どうやら Midi インターフェイスが完成したらしい。


 シンセ作りも最終段階。あとはパネルを作って、見た人がビックリするような見た目に仕立てなきゃ!



ーーーーーーーーーーーーーーー


 リサは出来たての基板を指差しながら、


「これが Midi インターフェイス from アメ〜リカ〜ね! これを使えばケーブル1本で Midi キーボードから私たちのアナログ・シンセをコントロールできちゃうわけ。こいつは頭の良い奴で、鍵盤の上と下の音域で別々な CV を作れるんだ。だからフミカが弾くキーボードの右手パートと左手パートに別々なシンセをつないで違う音色で演奏したりも出来ちゃうのだ!」

「っていう事は、バッハの2声のインベンションなんかは右手と左手を違う音色にして演奏できるの? ポリフォニーで?」


「そそそそ、だからポップコーンなんかも1台のキーボードでメロディーと伴奏の両方ができちゃうのだ!」

「そりゃ便利! オミちゃんと私の音色の振り分けも簡単になりそうだね。」


 リサは机の上に置かれた小さなキーボードを指差しながら、


「んでこれ、こないだリサイクルショップで見つけた Midi 出力付きオモチャのキーボード! たった1000円! ちょっといじってみてみて!」


 フミカが指先で軽く押さえるのがやっとの小さなキーボードを弾くと、奥に置かれたシンセユニットが鳴り出した。


「へ~、オモチャとはいえ鍵盤で音が出ると雰囲気変わるね!」


 フミカが色々試し弾きをすると、リサが基板のボリュームを指差し、


「そいで、これがポルタメントね。上げると音程がゆっくり変化するんだ。」


 とツマミを回した。


 フミカの弾く音程は上下に切れ目なく変化するようになった。


「なんだか宇宙っぽいですわ! これもステージのオープニングで使えば効果がありそうですね!」

「そそ! レゾナンスとポルタメントが付くと、無敵のシンセ~! って感じでしょ?」

「気持ちいい〜〜〜! スペースサウンドっていうのかな? もしかして、代官山で見た DJ の人たちって、こういうのを延々とやって気持ち良くなっちゃってたんじゃないかなあ?」

「そうですわね! 今ならあの方たちの気持ちが分かりますわ! いわゆる自画自(自主規制)、ひとりよが(自主規制)というものだったんですね! きっと脱法シ(以下すべて自主規制)。」


     .     

     .     

     .     


「ってなわけでさ、これと同じセットをあと2つ作って、シーケンサーを付ければシンセは全部完成なんだ! んで今日は、これからシンセユニットのパネルの穴開けをやるんで、みなさん力仕事お手伝いよろしく!」

「え? 私たちに力仕事なんて出来るの?」

「ダイジョビダイジョビ! 作業は簡単! んで、これがパネル用に買ってきたプラスチック板!」


 リサはそう言って、大きな紙袋からぶ厚い透明のプラスチック板を取り出した。


「スケルトンなパネルってカッコ良さそう! で、どうやって穴開けるの?」


 フミカが聞くとリサは電動ドリルを取り出し、


「これです! これでギュイ〜ンって穴開けるのだ!」


 とドリルを回した。


「それ怖くない?! この先っぽの刃をパネルにあてるわけね?」

「そそそ、そのはず... いや、実はさ、私もやった事ないのだ!」

「え? 初めてなの?」

「うん! 今まで随分基板は作ったんだけど、いつもそれだけで終わっちゃってたからね。キットの時は最初から穴開きケースが付いてたしってわけで、自分でパネルまで作るのは初めてなのだ!」


 リサはそう言うとプラスチック板を机の上に置きながら言った。


「この板って所々にポチポチっと印が付けてあるでしょ? ここに穴を開けてボリュームとかスイッチを付けようってわけね。んで、フミカとオミは両側からパネルを押さえててちょうだい!」


 二人は言われた通り、両側からパネルを押さえ


「OK、準備よし!」


 と言うと、リサは


「んじゃ、いきまっせ〜!」


 とドリルのスイッチを押した。


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