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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day13:8月19日/ひとつ完成!
53/82

⑴ 犬の鳴き声を作ってみた

挿絵(By みてみん)

 8月19日の夏季登校日、3人は久々に学校で顔を合わせた。


 家族で海に行っていたリサは真っ黒に日焼けし、いかにも健康そう。フミカは知り合いの山荘に招待してもらい、もっぱら近所の湖周辺を散策していたので見た目はそのまま。オミは海外旅行か? と思いきや伊豆のリゾートでノンビリしていたという。


 三者三様の夏だったようだが、みんな夜になるとシンセの事、セ祭の事を考えながら期待に胸を膨らませていたのは同じだった。


 フミカは旅行中も時間が許す限り、ライブ用の譜面を眺めて自分の指が鍵盤を弾いているシーンを頭に思い浮かべてイメージトレーニングに励んだ。


 曲を弾いている時の指の動きが動画のように頭の中でイメージ出来ると、ステージでの演奏も上手くいく。おそらくスポーツ選手のイメージトレーニングも同じなんだろうなとフミカは思っている。



ーーーーーーーーーーーーーーー


 午前の行事が終了したフミカは早速、電子工作部室に向かった。


 部屋の手前まで来ると、中から『〽️ ピ〜〜〜! 〽️』っという発振音が聞こえてくる。


「やってる、やってる!」


 フミカが急いで部屋に入ると、到着を待っていたかのようにオミがスマホカメラをこちらに向けた。リサがこちらを振り向き、


「久しぶり! 基板完成だよ! VCO、VCF、VCA に ADSR も動いてるからアナログ・シンセサイザーの基本が、た〜っぷり楽しめますぞ〜! さささ、ボタン鍵盤いじってみてみて!」


 と、はしゃぎながら鍵盤を指さした。


「オ~、やったね! じゃ早速!」


 フミカがボタン鍵盤を押すと、スピーカーから『〽️ ピョーン 〽️』と音が出た。


「いいねいいね! 今までの単調な音と違って、楽器っぽい音になった感じ!」


 フミカはそう言いながら、色々な鍵盤を押して音階を試してみると、リサは基板に並んだツマミやスイッチを説明しだした。


「そいでね、ここに沢山並んでるボリュームとかスイッチをいじると音色が変えられるんだ。まずここが VCO。で、音域を上にしたり下にしたり、ADSR からの電圧を VCO に送ったりできるのだ!」

「ADSR からの電圧?」

「うん、ま、やってみればすぐに分かるよ!」


 リサがそう言いながらボリュームを上げると、鍵盤を押すごとに音程が自動的に上下した。


「へ〜、ちょっと鳥の鳴き声みたいになった!」

「そそ、この音程の変わる速さとか度合いを調整すると犬の鳴き声とか作れるんだ!」


 リサがボリュームを調整すると...


「ア、なんか犬の鳴き声みたいになって来た!」

「でしょ? これが、シンセで犬の鳴き声を作る時の定番セッティング! 早いスピードで音程が上から下に落ちると『ワン!』って聞こえるんだよね。


 そのスピードを調整するのが「ADSR 」ね。鍵盤を押すたびに上下する電圧を自動的に作ってくれる便利モジュールなんだ。 要素はたった4つ!

 A は Attackアタック

 D は Decayディケイ

 S は Sustainサスティン

 R は Releaseリリースで...」


 リサは4つのボリュームを指差しながら説明した。


「アタック(A)は鍵盤を押してから電圧が上がって行く時間を調整するのね。


 次のディケイ(D)はアタックの後で電圧が下がって行く時間を調整するの。」

「フムフム。」



挿絵(By みてみん)

<念のため ADSR の概念図をもう一度>




「今の犬の鳴き声は、アタック下げ〜の、ディケイ上げ〜ので、その電圧を VCO に送ると作れるんだ。」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:犬の鳴き声を作ってみる>

https://youtu.be/bojvpzrpxC8



「なるほど〜!」

「で、アタックもディケイも少し長めにセットして、VCO だけじゃなくて VCF にも送るの。そいで、こないだ説明した VCF のカットオフ・フレケンシーとレゾナンスを調整すると〜...」


 リサは VCO の隣に並んだ VCF のボリュームをいじり鍵盤を押した。


「オオ〜〜! 今度は猫の鳴き声みたいになった! 面白~い!」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:犬の鳴き声を猫の鳴き声に変えてみる>

https://youtu.be/i3F0ckTqRHg

 


「そそそ、これも猫の鳴き声の定番セッティング! 犬の鳴き声は音程が急に下がるんだけど、猫の鳴き声は音程と音色がゆっくり上下するのだ! 『ミャーオーン』って鳴き声の『ミャー』って所をアタック、『オーン』って所をディケイで時間調整するのね。」


 フミカは説明を聞きながら、ボタン鍵盤をあれこれといじって演奏してみた。


「面白い、面白い!!! シンセ2台で犬と猫の追っかけっこを作るとか... でもライブでやったらイロモノかな? やっぱり犬の曲は『子犬のワルツ』、猫の曲は... 『ワルツィング・キャット』って曲をやる方が LFO 的?」


 オミはカメラを構えたまま質問した。


「猫の曲もあるんですか?」

「あるある! クリスマスの定番『そり滑り』って曲を書いた人の曲。スター・ウォーズのテーマを書いたジョン・ウィリアムズがオーケストラでやってるのも有名だよ。」

「そういった曲にも挑戦できたら素敵ですわね!」

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