⑶ リサのシンセ講座/VCA と ADSR
「VCA の VC は前と同じね。『A』は Amplifierの略。これ、ステレオアンプの『アンプ』と同じ事なんだ。ステレオアンプの音量はボリュームのツマミを手で回して変えるでしょ?
VCA の場合は、それを電圧の上下で変えるってわけ... VCO は電圧で音程が変わったでしょ? VCF は電圧で音色が変わる、VCA は電圧で音量が変わるの。それだけ!」
<⭕YouTube による解説⭕:>
https://youtu.be/Q5zKfmqQvtk
「え? えらく簡単だね。ビデオ撮ってないから手ぇ抜いてない?」
リサは笑いながら、
「違う違う、本当に電圧で音量が変わる機能が中心なのだ。で、もう一度言うけど、アナログシンセは音程を VCO、音色を VCF、音量を VCA でコントロールする。この3つが基本ね。」
「たった3つ?」
「そそそ、基本は3つだけ。ただし、この3つの要素が時間と共にどんどん変化するのね。私たちが聞いてる音もそう。要素は音程、音色、音量の3つしかないの。アナログシンセは、それを回路で真似してるってわけ。」
「3つの要素って、理科か物理で習ったような気がするような、しないような...」
「多分、原理は習ったよ。音の3要素。そもそも音って空気の振動でしょ?」
「ウンウン」
「音は空気の振動が耳の鼓膜を揺らして聞こえてるわけね。」
「ああ、それは誰でも知ってるよね。」
「んでその時に、振動の波の数が音程、波の形が音色、波の大きさが音量になるわけ。」
「波の数って、ピアノの真ん中のラの音が 440Hz っていう、アレだよね?」
「そ、それそれ。ピアノの 440Hz っていうのは、一秒間に440回ピアノの弦が振動してるわけね。」
「それもわかる!」
「で、空気の振動が耳の鼓膜を揺らして音が聞こえるわけだけど、その鼓膜の動きで考えると、鼓膜を動かすスピードが音程、鼓膜の動かし方が音色、鼓膜をどのくらい強く押したり引っぱったりするかが音量になるのね。」
「なるほど〜。」
「不思議な事に、鼓膜を滑らかに押したり引いたりすると柔らかいフルートみたいな音、ゆっくり押し込んで急に引っぱるとバイオリンみたいな音、急に押して急に引っぱるとクラリネットみたいな音になるんだ。」
「へ〜! そりゃ不思議! どうしてどうして???」
「う〜ん、それは神様に聞いてみて! 多分、科学者にも分かんないんじゃない?」
<⭕YouTube による解説⭕:波の形と音色を説明!>
https://youtu.be/SNCk2_rHUM0
「そいでね、例えばピアノって鍵盤叩くと徐々に音が小さくなってくでしょ? これはシンセ的に言えば、VCA にかかる電圧が『鍵盤押した瞬間は高くて、押し続けてると徐々に下がって、鍵盤から手を離すと突然ゼロになる』っていうわけ。」
「なるほど。」
「あと、バイオリンみたいな音は、弓で弦を擦るから音が出るのにほんの少し時間がかかるんだ。だからシンセでバイオリンの音を作る場合『VCA にかかる電圧が、鍵盤を押すとゆっくり高くなる』ようにするの。」
「ああ、そうか。」
「そういう風に、鍵盤を押したり離したりした時に『時間と共に変化する電圧を作る部分を Envelope Generatorっていうの』。呼び名が長いんで、略して EG って言ったり、パネルに書いてあるボリュームの頭文字を取って ADSR ともいうんだ。」
「へぇ〜。」
「そういうわけで、大概のシンセは VCO、VCF、VCA + ADSR の計4モジュールで基本構成されてるわけ。あとはビブラートかけたりするのに便利なように LFO があるって話は前にしたよね。ボリュームとか沢山付いてるから難しそうって思うだろうけど、基本的な構造は凄く単純なんだよ!」
「は〜、それだけでねえ...」
フミカが感心していると、リサが付け加えた。




