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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day11:7月30日/リサのシンセ講座
48/82

⑵ リサのシンセ講座/VCO と VCF


 二人が部室に着くと、リサは基板を覗き込んで作業していた。


「リサさん、いかがですか?」

「ウン、良い感じ。VCF が完成したんで音色がムニョムニョ〜って変えられるようになったんだ! 凄い進歩だよ! ちょっと音、聞いてみてみて!」

「でしたらリサさん、音を出しながら基板の説明をして下さい。私、久々に LFO の記録ビデオを撮りますから。」


 オミがそう言いながらスマホの準備をすると、リサは身だしなみを整えながら、


「いい? じゃ行くよ。」


 と基板の説明を始めた。


「みなさん、こんにちわ! シンセ女子クラブ LFO の開発担当リサです! 今日、夏休みの一日、私たちのシンセの VCF が完成しましたからご紹介します!」


 リサは手元の基板を指差しながら、


「これが Voltageボルテージ Controlledコントロールド Filterフィルター、略して VCF の基板です。VCF は、このあいだ作った VCO で作った音の音色を変化させる回路です。


 VCO も VCF も、頭に VC って付くけど、これはアナログ・シンセサイザーの特長のひとつです。VC は Voltageボルテージ Controlledコントロールドの略で、日本語にすると『電圧で制御された』の意味です。


 VCO の場合『電圧で制御された発振器』という事になります。」


 リサはノッて来てテレビ解説者のような口調になってきた。


「先に VCO の説明をしておきましょう。『電圧で制御された発振器』ってどんなのでしょうか?


 それはですね、出てくる音程がコントロール用の電圧で変えられるっていう特長を持つ発振器なんですよ! コントロール用の端子に高い電圧をかけると高い音程が出て、低い電圧をかけると低い音程が出るんです。簡単デスね~!


 このコントロール用の電圧の事を CV って呼んでます。CV は Controlコントロール Voltageボルテージの略です。なんかまんまですねえ! もう少しヒネリが欲しいところです。」


 フミカにはリサの説明が結構良く分かった。もしかしたら既にシンセを多少は知ってるせいかもしれないけど...


「あ、でも注意して下さいね。電圧でコントロールすると言っても電源電圧は別にかかっているんですよ。CV は電源の電圧とは別なんですね。で、ここには鍵盤代りの押しボタンスイッチが並んでいますが、これを押すと~...」


 リサはボタン鍵盤を下から押していった。


「ド~、レ~、ミ~... と音程が鳴りますね~。このボタンスイッチは押すと、音程に対応した電圧が CV として VCO に送られるようになってるんです。


 今、ドレミと、徐々に音程が上がりましたが、これは VCO に送られる CV の高さが少しずつ上がって行ったからなんですよ~! みんな分かるかな~?!」


 なんだか幼稚園の先生風の語り口調になって来た。



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:>

https://youtu.be/QDUHcyvw_Nk



「さて、それでは先ほどお話しした VCF とはなんでしょうか?! VC、はいみんな覚えてるかな~?! VC は、そう Voltageボルテージ Controlledコントロールドの略だよ~!


 そして~、VCF の F はフィルターの F の事なんですねえ。フィルターっていうのは皆さんもご存知の、あのフィルターですね。コーヒーのフィルター、エアコンのフィルター、色々あります。


 シンセサイザーのフィルターは VCO から来た音の音色を変えるものなんですねえ。それではちょっと実験してみましょう。この基板に付いているツマミ、これです。


 じゃあ音を出しながら、このボリュームをゆっくり左に回してみましょう。」


 リサはそう言いながら、基板についたボリュームを回し始めた。すると音色が徐々に変わり始める。


「ハイ! 皆さんお分かりになりますか? ボリュームを左に回すにしたがって音色が柔らかくなって行きますぞ~! どんどん左に回すと音が柔らかくなり過ぎて、聞こえなくなってしまいました!


 それでは今度はボリュームを右に回していきましょう。ほ~ら、また音が出てきましたねえ。段々音色が硬くなっていきます。分かりますか~?!」


 リサはボリュームを素早く左右に回しながら、


「シンセサイザーでは、このような VCF のボリュームを Cutoffカットオフ Frequencyフレケンシーと呼んでます。



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:>

https://youtu.be/2TiH8jwkJhQ



「『カットオフ・フレケンシー』、はい、覚えて下さいね。リピート・アフター・ミー!」


 と言いながら右手を前に差し出して、少しポーズし...


「はい、素晴らしいですね。カットオフ・フレケンシーです。さて、この隣にもう一つツマミがあります。


 これは Resonanceレゾナンスっていうボリュームです。さきほどのテストでは、このレゾナンスは左に回し切って0だったんですが、このボリュームを上げて...


 この状態で、もう一度カットオフ・フレケンシーのボリュームをグリグリと回してみましょう!」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:>

https://youtu.be/NGmDLIOrzOs



 リサは、そう言いながらボリュームを回した。すると音色がミャオミャオと猫の鳴き声のような音になる。


「ハイ、面白いですね~! 不思議ですね~! レゾナンスを上げると音色がミャオミャオになっちゃいます! これはシンセサイザー独特の音です。なんて楽しいんでしょう!


 VCF では、このカットオフ・フレケンシーの上げ下げを CV でコントロールできるようになってます。高級な VCF だとレゾナンスの上げ下げも CV でコントロールできる物もあるんですねえ。素晴らしいです。できれば高級なのを使える身分になりたいものですね!


 ちなみにレゾナンスは日本語で共鳴という意味ですが、病院の検査で有名な MRI の R も同じレゾナンスなんですねえ。なんて勉強になるんでしょう!」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:>

https://youtu.be/vLgdHi7GcBU



 リサはこれだけ説明すると、


「以上が VCO と VCF です。シンセサイザーにはこの他にもう一つ VCA という機能がありますが、それはまたいずれ! それではみなさん、またお目にかかりましょう! サヨナラ! サヨナラ! サヨナラ!」


 そう言って手をふった。


「リサさん素晴らしかったですわ。とても良く分かる解説でした!」

「うん、簡単な説明だけど良く分かったよ。なるほどそういう仕組みなんだねえ。ところで最後に言ってた VCA は?」


 フミカが聞くと、リサは説明を続けた。


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