表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day1:6月25日/つながった
4/82

⑷ それぞれの夜

挿絵(By みてみん)



 家に帰ったフミカは食後、居間のパソコンでシンセについて調べていた。


「ふ~、なんだか騒々しい一日! 特に午後。で、リサちゃんって子。怖いものなしってああいうの?」


 今日の事を思い出すと吹き出してしまう。


「それにしても、あんな物で音楽が出来るの? 出来たとしてどんな音楽? 誰がそれを聞くの? 演奏って、あの部品だらけの板を操作するのかな?」


 色々と考え出すとキリがない。フミカはウィキを検索しながら、


「え~、なになに『シンセサイザー(synthesizer)は、一般的には主に電子でんし工学的こうがくてき手法しゅほうにより楽音がくおん等を合成(synthesize)する楽器「ミュージック・シンセサイザー」の総称。電子楽器、音源と呼ばれることもある』」


「な、なんやねん、これ!」


 思わず関西人になってツッコんでしまうフミカだが、根性でページを読み進んでみた。


「なるほど結構歴史が古くて1960年代以降に今のシンセが完成したのか リサちゃんってば、これを理解してるのかなあ? もしかしてあの子って凄い子?」


 しかしそこから先は理解不能、そもそも何を言っているのかが分からない。


「写真が出てるけど上の方は楽器には見えないよなあ... あ、でも下の方は楽器っぽいかも...」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:(ウンチク話)新旧のシンセサイザーをながめてみる>

https://youtu.be/kaQDit7wYYU



 だんだん理解するのはあきらめ写真鑑賞状態になってしまったフミカ... しばらくネットをながめていると頭がクラクラして来た。


「もういいや! また明日考えよ!」

 フミカは部屋に戻って寝床に飛び込むと、ボンヤリと天井を見つめ、


「でも、あれって鍵盤なしで演奏するのかなあ?」

 そんな事を考えながら眠りについていった...



ーーーーーーーーーーーーーーー


挿絵(By みてみん)



 同じ頃、リサもパソコン画面を見ながら妄想をふくらませていた。


「へへ~、音も出たし弾く人も見つかった! 次は VCFブイシーエフ 作って音色変えて、カッコいいケースも作ってランプも忘れずピカっとな!」



挿絵(By みてみん)

<⭕YouTube による解説⭕:(ウンチク話)VCFブイシーエフ とか VCAブイシーエー とか〜、ちょとムズイので飛ばしても可>

https://youtu.be/uGbgz9Rpryc




回路かいろはどこに出てるの使おうかねえ。ネット探して使えそうな回路図を見つけとかなきゃいかんな。そだ! 部品も足りないし、土曜にでも秋葉原に行ってみようかな? フミカは部品屋行った事ないだろうし! きっとメイド喫茶も行った事ないだろうし! ...ってメイド喫茶なんて私も行った事ないっつ~の!」


 自己ツッコミしながらベッドに寝っ転がったリサは天井を見ながら呟いた。


「部品も増えそうだし、予算確保する方法考えなきゃなあ...」



ーーーーーーーーーーーーーーー


挿絵(By みてみん)



 その頃オミは噴水の音が聞こえる自室で、昼間の動画を編集していた。昔からリサの記録係だったので編集はお手の物。最近はワイプだフラッシュだのと、ちょっとした監督状態だ。


「うん、リサさんの勢いとフミカさんの困惑の対比が素晴らしく、近年まれにみる傑作ですわ。」

 幼馴染だけあってリサの性格をよく理解しているようだ。


「難しい言葉はテロップで説明してみようかしら... VCOは...」


 オミはネット検索し、

「『電圧でんあつ制御せいぎょ発振器はっしんき(Voltage-Controlled- Oscillator)は制御せいぎょ電圧でんあつ発振はっしん周波数しゅうはすう制御せいぎょする発振器はっしんき』」


 と読み上げながら、

「これをテロップで入れてしまったら、かえって分かりにくくなりますわ! そう思いません?」


 どうやら、ネットの書き手に意見しているようだ。


「さあこれで大体ビデオは完成ですわ。あ、タイトルも入れたいですわね。 う~ん...」



 しばらく宙を見上げていたオミは突然ひらめいたように、


「そうだわ! これならきっとみなさん喜んで下さる!」

 とニッコリ微笑みながら確信を持った表情でつぶやいた。


「基板だけのシンセですが、きっとフミカさんが素晴らしい演奏をしてくださいますわ! 私たちの音楽活動がいよいよスタートです!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ