⑺ 困った人達の件
「それに?」
3人が口を揃えて聞くと、サエコは頭に手をやりながら少し困った表情で、
「それに部長の取り巻きが黙っちゃいないぜ、そんな事んなったら。」
「取り巻きって?」
3人が身を乗り出して聞くと、サエコはさらに困った表情で、
「ウ~ン、いるじゃん、親衛隊っつ~か、女の子同士でラブレター渡しちゃう奴らって。アレよ、アレ! 部長はさあ、姉御肌で面倒見がいいもんだから、そういう立ち位置になっちゃうんだよなあ。ホント、『❤️レイナ様!今日は私たちとお昼をご一緒させて下さい!❤️』<⭐目の中にお星様キラキラ⭐>みたいな勘違い女が近寄って来んだぜ! あ、レイナって部長の名前な。オェ〜、ヤダヤダ! 吐きそう吐きそう! 話ししただけで背筋ゾワゾワ来ちまったぜ! あ、蕁麻疹出てきた、カユ〜!」
サエコがそう言いながら背中を掻くふりをすると、オミが大きな声で、
「‼️ まあ、それが噂に聞くボーイズラブというものですね! ‼️」
と、言ったものだから店内の視線がこちらに向いた。サエコは体を前に乗り出して、
「違うだろって! 大体ボーイじゃねえだろ。」
と小声で言うと、オミは驚いた顔をして、
「‼️ まあ、なんて事でしょう、もしかするとそれはレ...」
と言ったところでリサが慌ててオミの口を押さえ、2文字目を発音させなかった。サエコは笑いながら、
「あんたら面白え~よ。LFO の『F』って『フラワーの F』じゃねえの?」
「フラワー?」
フミカが首をかしげると、リサが
「ほら、頭の中にお花がポヤポヤ、みたいな...」
と説明したが、オミは
「まあ、頭にお花なんて美しくて素敵ですわ!」
と相変わらず平和だ。サエコは爆笑しながら、
「あんたら、相性良いよ。シンセ完成させてステージ頑張れよ。応援してっから。けどエアシンセだったらレイナ様命の乙女親衛隊から総攻撃食らうだろうから、そこだけは覚悟しといた方がいいぜ。
それ以外は何言われても放っとくのが一番だね、あの手の手合いは。どうせ実質的には何もできやしねえし。」
と少し過激に教えてくれた。取り巻きはちょっと要注意かもしれないが、軽音所属のサエコと色々と話せ、少し気持ちが楽になった3人だった。




