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それ行けシンセ女子!  作者: MikBug
Day7:7月10日/生徒会議は大炎上!
30/82

⑵ 時間枠

 室内を見回すと、会議用の階段教室は、すでに生徒で一杯になっている。


 フミカが着席すると同時に委員長らしき生徒が、


「それではセントセシルさい、芸能関連出展のタイムスケジュールを発表します。」


 と、開会宣言を行った。聖セシル祭は彼女たちの学校の学園祭の名称で、生徒の間では『セさい』の俗称ぞくしょうで通っている。


 リサの隣に座ったフミカはヒソヒソ声で、


「なんで、こんなとこ出てんの?」

「ステージのわく取れたみたい」

「ステージ? 誰の?」

「もちろん LFO の!」


 思いもよらない返事をされたフミカは少し大きな声で、


「え?! だって曲の候補がかろうじて決まっただけで、練習どころか弾こうにもシンセすらまだ完成してないじゃない?!」


 と、ここまで言ったところで委員長ににらまれてしまった。二人は筆談ひつだんで会話の続きをする事にした。


「✏️ ステージ枠応募してみた。当選かな? うれし~!」

「✏️ シンセは?」

「✏️ 夏休みがある! 作る!」

「✏️ 曲は?」

「✏️ こないだの曲 Good!」

「✏️ 無理だって〜!」

「✏️ "汝ら信じて求むれば、すなわちそれを得ん” b~y イエス様」

「✏️ そりゃこないだの聖書の時間!」

「✏️ シスターの講義を疑うと?」

「✏️ 本質のすり替え」

「✏️ さあ、祈りましょう!」

「✏️ ちゃうって!」


 フミカが思わず声に出して絶叫しそうになった時、委員長が、


「ホールの午後1時半から2時『電子工作部 LFO』。」


 と信じられない事を言ったように聞こえた。


 フミカが、


“ハァ〜〜〜???”


という顔をすると、リサが再び筆談で、


「✏️ やった! イエス我らを見捨てず、『百卒ひゃくそつおさごとく信ぜよ』」


(作者注:百卒の長の話=軍隊のリーダーがイエスの言う事を絶対信じたので、部下の病気が治っちゃったというエピソード)


「✏️ オイオイオイオイ」

「✏️ さあ、フミカ頑張ろうね〜!」

「✏️ ウッソ〜!」

「✏️ ヨハネの福音ふくいん

「✏️ しゅ栄光えいこう


 って、毎朝の礼拝れいはい応唱おうしょうくせで『主に栄光』なんて書いちゃったけど、それどころじゃない〜!


(作者注:応唱おうしょう=ミサ等で先導者せんどうしゃに続いて会衆かいしゅうも言葉を続ける定番フレーズ、先導者が『xx の福音ふくいん」と言ったら、みんなが『しゅ栄光えいこう』と言うパターンは良くあるので、ミッションスクールに行っていると、思わず言っちゃったりする。)


 フミカが再び絶叫しそうになった瞬間、


「異議あり!」


 と手を上げた生徒がいた。その生徒は、


「軽音の部長です。」


 と言うと、サッと立ち上がった。


 委員長が、


「何か?」


 と怪訝けげんそうな顔で見つめると、軽音部長は異議を申し立て始めた。

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