⑵ オミパパ、ゴアについて解説す
席について落ち着くと、アイスコーヒーを飲みながらリサが話し始めた。
「それにしても一昨日のシンセは強烈だったよねえ。」
「私、ようやく耳鳴りがおさまって来ましたわ...」
「私も... 今思い出しても意識が遠くなる気がするよ。」
3人がそんな話をしていると、ガラス戸の向こうから、
「❤️ オ~! リッちゃんオヒサ〜! ❤️」
と手をふりながら、ずんぐりむっくり体型でメガネのヒゲモジャ男性がこちらへやって来た。
「☀️ わ~い! オミパパ久し振りだよねえ~! ☀️」
この人がオミのお父さんらしい。リサちゃんってばタメ口だし!
その男性はフレンドリーというか、無防備というか、くまタヌキっていうか... オレオレ詐欺ってこういう人が騙されたりするんだろうなあ、てな雰囲気を全身に漂わせながら3人のいるテーブルの椅子に座った。
“このオジサンがビショ濡れになって噴水のお掃除するんだ”
と考えるとなんだかホッコリした気分になる...
「お父様、この方が私達 LFO の仲間のフミカさんです。」
オミがフミカを紹介すると、オミパパは握手を求めながら、
「そうか〜、君がオーちゃんの新しい仲間だね! う〜んと、フミカちゃんだからフーちゃんだね!」
タメ口のオミパパは、フミカの呼び名も勝手に決定してしまった。
「ハ、ハア... えと、始めまして。え〜と、そうですね、フーちゃんで良いです、ハイ。」
フミカはちょっと困惑しながら挨拶した。
「いや、オーちゃんがさあ、リッちゃんとシンセで音楽やるって言うから面白そうだなって思ったんだよなあ! なんか蘇れ青春なんだよなあ! うん。オーちゃんの言ってた "LFO" って名前もマニアックで良いよね、うんうん。昔は流行ったよなあアナログシンセ! うんうんうん。」
“なんか、こういうしゃべり方、電子工作部にもいたなあ... マニア系な人って、みんなこんな感じなのかなあ? じゃあオミちゃんのお嬢様指向はお母さんの影響?”
フミカがそんな事を考えていると、
「で、なに? リッちゃん達、こないだクラブ行っちゃったの? ダメだよ~、女子高生がそんなとこ行っちゃ~。」
「やっぱダメでした? そうなんですよ。シンセの曲を聴こうって、知らないで行っちゃったら、物凄い音で... オミなんか『退学になる!』なんて喫茶店で叫んでそりゃもう大ヒンシュク!」
リサがそう言うと、オミパパは笑いながら答えた。
「ミッションスクールでクラブ行きがバレたら、謹慎くらいにはなるかもねえ。賛美歌唄ってる女子高生がいきなり聴きに行くには難易度高いかもねえ。」
「そだね、私達が思ってたクラブは語尾が下がるクラブ↓だったけど、実際に行ったのは語尾が上がるクラブ↑だったらしくて...」
リサが苦笑しながら言うと、オミパパが教えてくれた。
「まあ、最近のクラブ↑の音楽っていうのは、重低音のドラムが『ドッドッドッドッ』って規則的に鳴って、それに『ウ〜ニョ〜ウ〜ニョ〜』みたいなシンセの音が音色を変えながら延々繰り返されるってのが多いみたいだから、教会で讃美歌唄ってる女子高生には辛そうだよね? ジャンルだと『トランス系』とかいうやつかな。」
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:『ドッドッドッドッ』はこんな感じ?>
https://youtu.be/U51uIzFg7G8
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:『ウ〜ニョ〜ウ〜ニョ〜』はこんな感じ?>
https://youtu.be/4FACPNeNEto
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:で、ドッドッとウ〜ニョ〜を一緒にしてみた>
https://youtu.be/aKgY1TE8Ssw
「そそそそ! そういう音楽だった。トランス系って言うんだ!」
「トランス! まさにそういった感じでしたわ! 私、意識が朦朧として催眠状態のようになりましたもの!」
「そうだったよねえ。オミちゃん『完全にイッちゃってた』もんねえ...」
「トランスってくらいで恍惚状態だよね。ゴア・テクノとも言うみたいね。」
「ゴア... テクノ?」
「ゴアってのはインドの地名ね。欧米のダメ系の人が集まって、一日中危ないタバコ吸いながら延々繰り返されるループのリズムを聞いてブッ翔んでるってわけだ。」
「ほら! やっぱり噂の脱法シガレットですわ! お父様も若い頃インドでそういう事してらしたんですか?」
オミの鋭いツッコミに、
「いや、まさかハハハ...㊙️」
と、オミパパの返事はアヤフヤ...
“怪しい!オミパパ目が泳いでるし”




