⑹ フミカの音楽講座
「クラシックでモノフォニーっていうのは物凄く古い音楽の形式かな。古代って今より生活も音楽も単純だったでしょ? だから音楽にも伴奏が無くって、メロディしかないの。教会のお祈りの言葉に音程を付けただけみたいな...『♪主よ〜あわれみたまえ〜 ♪キリストあわれみたまえ〜』みたいな感じ。ヒーリングミュージックで定番のグレゴリオ聖歌とかね...」
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:こんな感じのがモノフォニーのグレゴリオ聖歌>
https://youtu.be/eaFBwGr6nMM
「なんかそれ鼻歌っぽいね。」
「そうだね『オジサンの鼻歌の教会版』みたいだよね。」
(作者注:あくまでフミカの主観です)
「学校の入学式で聖歌隊が歌っていた曲ですよね? 全員が同じメロディだけ歌っていた。」
オミがそう言うとリサも、
「あ、あれね! 教会初体験なのに、全員で『♪主よあわれみたまえ〜』とか歌ったから『なにこのヘタクソ聖歌隊!』って思ってたけど、あれってモノフォニックな音楽だったから? ヘタなんじゃなくて?」
(作者注:あくまでリサの感性の話しです)
「そうそう、あれは私もカルチャーショックだった。だって賛美歌って言ったらクリスマスの『もろびと、こぞりて』とかのイメージしかなかったからね。伴奏もなしで全員でおんなじメロディー歌われてもねえ...」
「でもさ、ビックリしたのは最初だけで、あと寝ましたぞ!」
「私も! シスターには悪いけど礼拝堂で寝るのって癒されるよね。」
「だからヒーリングミュージックなのですね! 先日の聖書の時間にあったイエス様が病気を癒すとは、そういう意味だったのですね!」
微妙にハズしている気もするがオミは続けた。
「では、ポリフォニックな音楽もあるんですか?」
「あるある。モノフォニックな音楽の後に出てきたバッハとか、伴奏は無いけど、メロディがたくさん絡むようなの。モノフォニックだと飽きちゃうでしょ? それで輪唱みたいにメロディをずらして歌うようにしたのが始まりらしいよ。」
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:ポリフォニーな音楽の例、この例はバッハの曲>
https://youtu.be/LwBH-maq6Io
フミカがそう言うと、オミが
「輪唱というと『カエルの唄』?」
と言いながら歌い出した。するとリサがタイミングをずらして歌い出した。
『♪カエルのうたが~聞こえてくるよ〜』
『♪カエルのうたが~聞こえてくるよ〜』
「そうそう、その輪唱。で、それがもっと複雑になったのがポリフォニーってわけ。きっと中世の人も教会で寝ちゃったんで神父様が困ってポリフォニーを作ったんじゃないかな?」
(作者注:あくまでフミカの私見です)
フミカが微笑みながら言うと、みんなフミカが微笑みながら言うと、みんな、
「ウンウン」
と思わず納得した。
「で、しばらくしたら、みんなポリフォニーにも飽きちゃって、メロディと伴奏でできたホモフォニーっていうのが出て来るの。モーツァルトとかベートーベンとか... 今のクラシックもポピュラーもロックも演歌だって多分ほとんどこれだよね。」
<⭕♫YouTube によるサウンド♫⭕:ホモフォニーの例。この例はモーツァルトの曲。>
https://youtu.be/BeVKV9ysNI8
<✏️ 以上3つ(モノフォニー/ポリフォニー/ホモフォニー)をまとめると、以下のようになります ✏️>
フミカの解説に、リサが質問した。
「ふ~ん、じゃ私たちが作ろうとしてるのって、実はホモフォニックシンセ?」
「確かに。厳密に言うとそうかも。でもポリフォニックシンセって言った方がカッコイイよね。」
「❤️ ポリフォニックシンセでモノフォニーなグレゴリオ聖歌! なんだか知的な感じで素敵! フミカさんが参加してくださったおかげで、音楽の幅が広がって頼もしいですわ。これならシスターも芸能活動を許してくださるでしょうし、私たち大成功できますわ! ❤️」
オミが感動すると、リサも手を片手を高く上げて叫んだ。
「☺️ ウンウンウン! そんでドームでライブね! 頑張ってシンセ完成させますぞ〜〜〜! ☺️」




