その夜
自分の弱みを曝け出したことで、俺は愛子との間に、いまだ感じたことのない精神的な絆を覚えた。
俺はこのまま愛子の本心をも剥き出しにしたい衝動に駆られた。
「愛ちゃん、今夜は泊まっていくかい?君のこともっと知りたいんだよ。」
「えっ、いいけど…//」
「俺みたいに、普段話しにくいことなんでも話してよ。」
「うーん、突然言われてもっ…あ」
「どうかした?」
「大したことじゃないんだけど、あたし夢遊病だって家族に言われるのよっ。他には何にも悪いところないんだけどねっ。」
「大したことかどうかは愛ちゃんが決めることじゃないと思うよ?具体的にはどの程度うろうろしちゃうのかな?」
「目が覚めたら大阪にいたことがあったわねっ」
「それってバミューダ・トライアングル的な何か!?それとも誘拐?どちらにせよ大分重症だと思うけど?」
「でも一番多いのは服を脱いだり、化粧してたりすることかなっ?逆もまた然り。」
「えっ、何の逆!?服脱いでくれるのはありがたいけど。」
「服を着てたり、化粧落としてたりもするのよ」
「ああ、いわゆる寝化粧ってやつかな。それも裸で随分ワイルドだね。」
「家ではいつも全裸よっ?」
「それアイドルの軽い下ネタみたいなやつね。しかも家族全員裸族とか言い出す始末に負えないパターンも有りね。」
愛子が真剣かふざけてるのか大分前から分からなくなっていたけど、そろそろ仕切り直した方が良い塩梅だと思った。
「じゃあ、そろそろ夜遅くなってきたから先にシャワー浴びて来な?」
俺がそう言うと、愛子は徐に立ち上がって、玄関に向かい、夜の帳へと消えて行った。
「嫌だったら正直に言ってくれれば良かったのに…悪いことしちゃったな」
俺は悶々としながら一人眠りについた・・・
次の日、早朝の電話が鳴って、大阪府警からだった。
愛子がいつから夢の中だったのかは定かでない。




