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冒険っぽいお題で小話を  作者: 夜音沙月
3/5

「町を出たら魔王に会いました、逃げるのはだめですか?」

 嘘だろ。

 誰でもいい。だから、嘘だといってくれ。

 町を出て、次の町へ向かう途中の道。

 目の前の道にいるのは、黒いマントを着た、大きな男。どっからどうみても魔王だ。

 とっさに道のすみっこに身を隠したが、依然として今の状況は変わらない。


「おい、そこで何してる」


 ま、魔王が声をかけてきた!


「あ、あんたこそ、こ、ここで何してんだよ。あ、あんた、魔王だろ?」


 まずい。声が震えた。怖がってんのバレバレじゃねぇか。


「おー、よく判ったな」


 感心されても困る。

 いかにも魔王って雰囲気出してんのに、気付かない方が変だろ。


「まま、魔王のあんたが、どうしてこんな道の真ん中にいるんだよ」


 あー、俺のバカ。気になったからって、話ふってどうすんだよ。


「あー? 城にいても退屈でな、散歩してるとこだ」

「は? フツー、魔王は城で待ってるもんじゃねぇのかよ」

「そんな常識、知ったことか。勇者が来るまで待ってるったって、こっちは暇なんだよ」

「いやいや、暇だからって子供の夢壊すような行動すんなよ」


 魔王を倒すために、仲間集めて旅する勇者のゲームをしてる子供にとっては、いい迷惑な奴だ。


「じゃあ、何してればいいんだよ。剣でも振ってろってか?」

「あー、それは困りマス」


 強くなられたら、倒せねぇじゃん。


「あっ、お前、勇者か? そうだな?」

「い、いや? オレはただの通りがかりですけど?」

「嘘だな」


 即答された。


「その服装からして、勇者だろ」


 確定。

 っつか、変なところで鋭いな。


「城にくるか?」

「は?」

「だから、城にくるか?」


 いや、言葉の意味くらい判ってるって。


「なんで」

「暇だから」

「誰が行くかよっ。だいたい、オレはお前を倒すために旅してんだ」

「頑張るなぁ」

「あんたが変なだけだ」

「俺は普通だが?」

「いや、絶対に変だ」

「そっか。じゃ、城にはこないんだな?」

「行くわけねぇだろ」

「判った。気をつけろよ」


 ヒラヒラと手を振り、去っていく魔王。なんだか、ゆるい奴だったな。

 てか、心配されたぞ? 普通、魔王があんなこと言うか? 何もしないで去ってくもんなのか?



 いろいろ考えても判らず、ただ魔王と会話した疲労感だけが残った。



fin.



H24 4/6

…ひとやすみ…

お題がタイトルみたいになってしまいましたw

勢いで書きました。はい。友達感覚で話してくる魔王。いろんな意味で疲れそうです(笑)



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