表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
War Game  ~風の章~  作者: フラップ
プロローグ
4/23

スクランブル

 F-15で飛ぶ


 10810×2㎏の推力が2,7tの機体を押し出す


 60度の角度で上昇していく


 シートに体が押し付けられる


 バレル・ロールで水平飛行


 僚機がついてくる


 バズ2000の改修を受けたF-15CのGPS航法装置にしたがって基地へ飛ぶ


 いつもやっていることだ。


 空中戦ならだいぶ強くなった。


 ヘッドオンからの戦闘では負けなしになっていた


 僕はどちらかというと典型的な基本パイロットだ


 スパイラルダイブやハイスピード・ヨーヨーなどを駆使して戦う


 一つ一つの技を磨き、この状況に持ち込んだら絶対に勝てる、という勝利へのレパートリーを増やす。


 2対2で僕に勝てるやつはいなくなった


 確実な実力をつけていく


 戦闘中に危険な行為は避ける


 諸刃の剣はぎりぎりのとき意外は使わない


 落とすことと落とされる事をよく考える


 今日はスクランブル、緊急発進だ


 敵は超音速機、おそらくF-4だと思われる


 イランが海上封鎖を行ったからといって発見⇒撃墜ではない


 敵に警告し、警告射撃し、それでも転進しなかったら撃墜する。


 だが撃墜することはまれだ


 2012年6月。シリアはトルコ空軍のRF-4を撃墜した。撃墜の理由はRF-4が海上の領空へ侵入したためだったらしい。このとき、世界中の多くの国からシリアは批判されたという。


 撃墜する権利はあるにはあるが、行使した場合世界中から白い目で見られ、孤立につながるわけだ。


 つまり、相手が撃墜されても仕方がないような行動…具体的には攻撃…をしてこない限り、もしかしたらしてきた場合でも敵を撃墜するのは国家にとって大きなダメージとなる。


 要するに撃墜されずに攻撃させずにお帰りいただく必要がある。


 戦闘機動を取ることだけならまれにあるが、撃墜までいった例はない


 イスラエルでもイラン機を撃墜までした例はない

 

 噛み砕いて言えば、撃墜するな、引き返させろ、ということだ。


 とりあえずまずは一機が攻撃できる態勢につき、一機が横からカメラで敵機を撮る


 無線で相手に警告し、


 緊急周波数で相手国の言語と英語で警告するのだ


 レーダーに点が映る


 まずまっすぐ相対していた軸線を右にずらす


 スムーズに後ろにつくためだ


 すれ違った後左旋回


 180度旋回し、敵の後ろにつく


 僚機が敵の横へ移動し写真を撮る


 相手に警告


 『こちらイスラエル空軍、貴機に告ぐ。貴機は今イスラエル領空2000キロ地点にいる、直ちに進路を変更せよ。』


 相手はすぐに機種の向きを変え、帰っていった。むしろここまですんなり行くのは珍しい。


 うまくいくのは歓迎すべきことだ、帰ろう


 インメルマン・ターンで基地へ向かう


 高度そのまま


 退屈か?


 ゲームではそうだろう。後ろから撃たれないし、バトルシーンに入るまで敵は来ない。離陸時にミサイルは打たれず、レーダー・レンジは180度


 機動力はいじくられていた


 あんなのは空中戦じゃない。おままごとだ


 Gは感じないし、腕力も必要ない


 愚痴っているうちに基地に着く


 『こちらコーチ、着陸する』


 エンジン・アイドル


 フラップ・ダウン


 ダウン


 そのまま


 ゆっくりと


 プル・アップ


 失速ぎりぎりまで粘る


 機首を高く


 エア・ブレーキ


 ギア・ブレーキ


 機首を上げる


 エア・ブレーキ閉


 機首下げ


 慣性でタキシング


 エプロンへ入る


 エンジンを切る


 止まる


 イーグルにサイドブレーキはない


 整備員が車輪止めを入れる


 キャノピーをあけ、ヘルメットを脱ぐ


 胸にためた空気を吐く


 やっぱり、ここまでしないと帰らない。


 空から

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ