反芻
ベッドに体を預ける。
シャワーも浴びた。体も拭いた。
あとはもう、眠るだけ。
今日あったイーグル・ドライバ。
コーイチ。
負けた。
負けた直後も。
パーティも。
アームをガンにしなかった。
それが敗因?
どうだった?
反転しながら猛烈に上下に流れる視界。
下から貫くように荷重がかかる。
イーグルの機影?
いた。
速度が足りないホーネット。
機首を起こす。
近い。
エルロンが動くのが見える。
早い!
必死で操縦稈を引く。
失速速度は?
胃が悪魔の手で掴まれて下に引っ張られる。
イーグルのバーナー・ノズル。
赤く光る。
逃がすかぁっ!
スロットルをアフター・バーナーに突っこむ。
イーグルはブレイク。
急激に旋回。逃れようとする。
その後ろには、すでにホーネットが喰らい付いていた。
重力で手が上がらない。
兵装を切り替えないと……、
サイドワインダーのミニマム・レンジを切っている。
そこで、反芻を止める。
その時点で、全ての計器が動きを止めた。
巻き戻す。ここで、アームをガンにする。
喰らい付く。
トリガを引く。
撃墜。
確かに、撃ち墜とせた。
ため息をつく。
それを、相手はちゃんと知っていた。
確かに、ガンにさえしていれば……。
違和感。
アームをガンに?
相手も二機の距離を知っていたのか?
目測で?
しかも、バックミラーで?
眩暈がする。
それを、彼は知っていた。
ピントが合わなくなる。
電撃のように、ある答えが全身を駆け巡る。
いや、答えじゃない。問いだ。
アームをガンに?
彼は……、
私のアームが、
サイドワインダーに、
なっていたのを、
知っていた?
あの状況で?
何時から?
何処で?
どうやって………………?




