退屈
戦闘へ向かう艦内というのは意外と暇なものだ。特に局地的な戦闘の場合いくまで暇なのだ。もちろん訓練もする。が、公海上でバンバン戦闘機を飛ばすわけいも行かず自然と回数は減るのだ。気持ちを整理するには十分な時間だった。とりあえず自分のやったことを考える。
後悔はしていない。
ただ、あの時それ以外の対処法は無い、と考えるだけ。
殺らなきゃ殺される。
撃墜されたら命はなかった。
戦闘状態の兵がミキを発見したら何をされるか分かった物じゃない。否、分かる。戦争ではそういうことは日常茶飯事だ。ある意味世界でもっとも無秩序な空間だからだ。
もしあそこで落とさなかったら自分が殺られたかもしれない。もしかしたら隊長機がやられたかもしれない。しつこくて軽薄な男だが人間だ。いや、そもそももっと接近して機銃弾で主翼を撃ったら?まさか。自分にそんな技量はない。パイロットを殺したのは故意ではない。なら苦しむ必要も無い。だがボタンを押したのは紛れも無く自分だ。じゃあ任務中のことだからアメリカ海軍が悪いのか?違う。ならそもそも落とさなければ良かった。逃げる意思があったのかもしれないじゃない。でも、落とさなかったら殺されたかもしれない…、と思考は何回考えても同じところを同道回りする。
今答えを見つけ出すのは難しい。
沖縄を出た後はもうすっかり元気に(見られるように)なって支障をきたすようなことは無くなった。
あと一週間、この退屈な時間をすごさないといけない。




