事後
煙草を一本取り、ジッポで火をつける。一番安いジッポだったが今まで一度も壊れたことがない。一流のパイロットを目指して狼の絵を彫ったのが懐かしい。つまり、それだけ時間がたったという事。
滑走路にはF-14とF-15の残骸が転がっている。ブルドーザで片付けている。
明日まで飛べそうにない。隊長機はパイロットごとお釈迦だ。別の基地のパイロットだった。知らない奴だ。今まで同僚が何人死んだか。数える気はない。
戦って死んだわけではない。全員が「不慮のアクシデント」で死んだ。不慮のアクシデントなんて世界中に満ち溢れている。アクシデントが不慮なのではない。不慮だったからアクシデントが起こるのだ。
最初の頃は悲しんだ。そのうちなれていくものだ。
着陸進入を開始したスクランブル機とイラン空軍のF-14が編隊を組む。F-14は滑走路に接地した瞬間爆発した。隊長機はもろに破片を喰らって爆発、僚機だけ生き残った。
今調査中だが恐らくF-14に何か仕掛けられていたのだろう。
* * * *
『まさかこんな事をするとは思わないだろうな...』
F-14の中で真上を飛行中の旅客機の腹を見ながらサムは言った。
戦争の種というのは結構頻繁に落ちてくるものだ。
今自分自身がその種だということは解っている。唯今自分が駒を高めみから見物していることに悪い気はしなかった。




