亡命機
サイレンが鳴り響く。半端がない。間違いなく心臓に悪い。上官に打診して音を変更してもらおうか。イスラエルとイランの間にはサウジアラビアがある。だがサイレンが鳴ったということはどこの国であれ敵が来たという事だ。機体へ向かう。スタンバイだ。つまり、まだ余裕がある。
* * * *
「アンノウン、発信信号から...F-14!F-14だと思われます!」
管制センターがどよめく。今F-14を使用している国は唯一つ...イランだ。
事故か亡命か攻撃かはわからない。唯今はスクランブルが速くつくのを祈るしかない。
一つの基地にHS、もう一つの基地にSBを命じた。
「クソッ!なんてこった。なんでF-14がくんだ」
確かにイランで無茶苦茶な整備を受けた可能性を引いてもF-14は侮り難い。F-14はアメリカ製の可変翼艦上迎撃戦闘機だ。当初は空中戦よりもフェニックスで迫り来るソ連空軍戦略爆撃機を撃墜するために作られた。6,5Gまで耐える。F-15の9Gに比べれば少なく聞こえるが、艦載機でヘナヘナエンジンを積んでこれだ。相当な脅威だ。
「スクランブル機、あと1分で接敵です。」
スクランブル機がアンノウンの背後に回り込む。隊長機がアンノウンの横に並ぶ。イラン国籍になっている。
『こちらイスラエル空軍、イラン空軍に告ぐ。貴機はイスラエル領空に接近している。飛行目的を明らかにし、直ちに進路を変更せよ。』
隊長機が警告を開始した。
『貴機の50ft北を西に飛行中のF-14だ。亡命を希望する。飛行場への誘導を要請にする。』
返答があった。管制センターの中が安心したような緊迫したような微妙な雰囲気になった。
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ここに誘導するらしい。スタンバイが解除されたのでルームに戻る。




