観測の外
※この物語はフィクションです。
あなたが観測するまでは。
夜。
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編集部。
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モニターに、複数の映像が並んでいる。
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大学周辺。
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道路。
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カフェ。
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すべて同じ時間。
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班目唯は、その前に立っていた。
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「……ここ」
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画面を指差す。
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数秒前の映像。
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人の流れの中。
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宮島悟。
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確かに、映っている。
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だが。
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次の瞬間。
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“違和感”
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「……止めて」
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斉藤が操作する。
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フレームが止まる。
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悟の姿。
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その隣。
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ほんのわずか。
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“何かがある”
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「……何だこれ」
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斉藤が小さくつぶやく。
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拡大する。
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画質が荒れる。
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ノイズ。
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歪み。
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だが。
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“人の形”に見える。
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顔は分からない。
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ただ。
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そこにいる。
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「……」
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班目は、目を細める。
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「……これ」
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一拍。
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「ずっといる」
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「は?」
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「他の映像も」
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操作する。
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別の時間。
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別の場所。
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同じような歪み。
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同じ位置。
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悟の近く。
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「……」
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斉藤の表情が変わる。
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「……見えてなかっただけか」
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小さく言う。
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「最初から」
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■
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映像が切り替わる。
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さらに過去。
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杉並の事件。
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同じように。
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“いる”
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だが。
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記録としては残っていない。
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ただのノイズ。
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「……」
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班目は、ゆっくりと息を吐く。
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「……いるのに」
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一言。
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「……存在してない」
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■
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夜。
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大学。
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人気のない廊下。
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悟は、一人で立っていた。
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何もしていない。
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ただ。
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“そこにいる”
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その時。
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「見えてるか?」
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声。
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振り向く。
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二人。
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いつの間にか、そこにいる。
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一人は、静かに立っている。
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もう一人は、壁にもたれている。
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「……誰だ」
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悟の声は、低い。
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警戒はしていない。
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だが。
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無視もしていない。
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「観察者だ」
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静かな声。
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感情がない。
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「で、こっちは傍観者」
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軽い口調で言う。
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片手を上げる。
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「……何だそれ」
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「名前みたいなもんだ」
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傍観者が笑う。
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「分かりやすいだろ?」
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「……」
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悟は、何も言わない。
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だが。
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違和感はない。
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むしろ。
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“最初から知っていたような感覚”
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「……何しに来た」
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短く問う。
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観察者が、ゆっくりと答える。
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「見ているだけだ」
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一言。
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「……それだけか」
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「それ以上は必要ない」
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淡々とした口調。
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傍観者が肩をすくめる。
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「まあ俺らは何もしないから」
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「お前が何やろうが」
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「関係ない」
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あっさりと言う。
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「……」
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悟は、その言葉を聞いている。
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否定もしない。
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肯定もしない。
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ただ。
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理解する。
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こいつらは。
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“関与しない存在”
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「……観測はしてる」
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小さく言う。
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観察者が、わずかに頷く。
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「そうだ」
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「すべてを見ている」
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「だが」
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一拍。
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「何も変えない」
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傍観者が続ける。
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「それが普通だろ?」
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軽く笑う。
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「見てるだけ」
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「それで十分」
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その言葉。
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どこか。
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聞き覚えがある。
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「……」
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悟は、何も言わない。
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ただ。
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一歩、前に出る。
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「……邪魔はするな」
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短く言う。
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観察者は、静かに答える。
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「しない」
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傍観者が笑う。
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「できねえしな」
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あっさりと。
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「……」
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悟は、そのまま歩き出す。
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振り返らない。
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やることは決まっている。
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その場に残る、二人。
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観察者が、静かに言う。
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「進んでいるな」
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傍観者が、軽く笑う。
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「止まらねえだろうな」
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一拍。
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「まあ、いいんじゃねえの?」
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「どうなるか、見てれば」
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観察者は、何も言わない。
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ただ。
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その背中を見ている。
——この物語は、あなたに観測されたことで成立しました。




