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殺したいほど憎いのに、好きになりそう  作者: 味噌村 幸太郎
第九章 美少女でもいじめられる

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無くなったセーラー服


 二日連続でスニーカーをびしょ濡れにして、家に帰って来たからお母さんに怒られてしまった。


「一体、何をしたらこんなに汚れるの!?」と。


 そう言われてもな……誰かが俺のスニーカーにイタズラしたから、洗っただけなのに。

 しかし、この美少女で地元の英雄の藍ちゃんに、こんな陰湿な嫌がらせをしたヤツは誰だ?

 別に恨みを買われた覚えはないけど。


 ~次の日~


 鬼塚に借りたバスケットシューズだが、一応きれいに磨いておいた。

 ムカつくけど、あいつが大事にしているバスケ専用の道具だもんな。


 自宅の扉を開くと、優子ちゃんが待っていた。


「藍ちゃん! 私、もう藍ちゃんに嫌がらせをする奴が許せないの! 今日こそ犯人を捕まえてやる!」


 何やら鼻息を荒くして、拳を作っている。

 まあ優子ちゃんは人一倍独占欲が強いから、正義感も強いよな。


「ま、まあ……見つけても、無理やり捕まえなくていいよ」

「なにをのんきなことを言っているの? 私が見つけたら、すぐ担任の先生に突き出してやる!」

「ははは、無茶しないでね」

 

 俺はこの時、たかが子供の嫌がらせだと甘く見ていた。

 それがあんな大事になるとは、思いもしなかった。


  ※


 学校に着くと早速スニーカーを下駄箱に入れて、上靴を取り出す。

 この時、いつもの嫌がらせは学校帰りが多かったので油断していた。

 上靴にかかとを入れた瞬間、何かがチクッと刺さった。


「あ、いたっ!」


 上靴の中にゴミでも入っているのかと思い、上靴から足を抜いてみる。

 よくみると白いソックスには、金色の画びょうが3個ほど刺さっていた。

 隣りで見ていた優子ちゃんが叫び声をあげる。


「藍ちゃんっ!? それ画びょうじゃん! もう嫌がらせとかのレベルじゃないよ! 犯罪だよ、担任の先生に報告しよう……」


 しかし、俺は冷静にかかとから画びょうを抜いて、近くにあったゴミ箱へ捨てる。

 確かに血は少し出ているから、白いソックスが赤く染まってしまったが……。

 前世の鬼塚に凄惨ないじめを繰り返し味わった俺からすれば、可愛いもんだ。


「これぐらいじゃ、別に先生へ報告する必要ないよ。優子ちゃん」

「なに、のんきなことをいってんの!? 女の子の身体を傷つけられたんだよ?」

「まあ……そうだけどさ。私はこれぐらいじゃ、傷つかないし」


 面と向かって、いじめてこない辺り許容範囲かな。

 いじめられまくったこの俺を舐めないで欲しいぜ。


 ~数時間後~


 3時間目と4時間目は、男女合同で体育の授業だった。

 そのため、俺はセーラー服の下に体操服とブルマを着用している。

 俺が通っている真島中学校では、更衣室が無いため、夏でも制服の下に着ることを義務付けされていた。

 まあ今は12月なので、これが暖かい。


 授業は何個かのグループに分かれて、バレーボールを運動場で行うことになった。

 運動音痴だった俺は格好の的となってしまい、2時間ボコボコにされてしまう。

 相手チームにゴリラみたいなスポーツ女子がいたからな……。


 チャイムが鳴ってようやく試合終了。

 優子ちゃんと一緒に運動場を歩く。


「はぁはぁ……大丈夫? 藍ちゃん?」

「いや……靴の嫌がらせより、ちゃんとしたいじめだと思う」

「え? なんのこと?」

「ごめん。なんでもない……」


 愚痴を漏らしながら教室に戻ると、自身の机の前で立ち止まる。

 机の上に畳んでおいたセーラー服が……無い!?


「え……えぇ!? 私のセーラー服がないんだけど!?」


 俺がその場で叫び声をあげると、隣りで着替えていた鬼塚が声をかけてきた。


「どうしたんだ? 水巻」

「え、あの……私のセーラー服が無いんだよね」

「ちゃんと探したのか?」

「ううん……まだ」

「なら、俺も一緒に探してやるよ」


 鬼塚はそう言ってくれたが、その後セーラー服が見つかることは無かった。

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