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チャンネル  作者: もちづき裕
花魁淵編
33/42

第十話  角田という男

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

「おおお!大森!わざわざ見舞いに来てくれて有難うな!」


 真っ青な顔でフラフラになりながら歩いていた大森くんは、窓際のベッドで元気に手を上げた彼、角田くんなのかな?を見ると、崩れ落ちるようにして床に膝を突いた。


「角田くん!生きていたんだね!」

 

 警察の人が来た=角田くん死亡の図式が出来上がっていた大森くんは、半泣き状態で立ち上がると、

「生きていて良かったよ!本当に良かった!」

 と、嬉しそうに声を上げている。


 いささか大袈裟すぎる大森くんの喜びに、ベッドの上に居る角田くんも、

「いや、本当に俺も生きていて良かったよ〜!」

 と言っている。一体彼に何があったのか、ノリで生きていて良かったよ〜と言っているだけなのか?訳分からんと僕が一人で思っていると、

「うん?そこの彼は誰?」

 と、角田くんが言い出したってわけ。


「いや、実は・・」

 大森くんは涙を拭いながら言い出した。

「角田くんが、車が出せないってなって、代わりに車を出してくれた俺の友達なんだけど、昨日のバーベキュー、本当に大変なことになっちゃってさ」


 なにしろ、幽霊は出てくるし、車の上には乗っているし、挙げ句の果てには杉山くんが轢かれているんだもんね。確かに大変なことになっちゃっているよ。


「いや、俺も大変なことになっていたんだよ!」


 角田くんが言うには、こういうことだったらしい。

 何処のバーベキューに行くとか、どこで待ち合わせするとか、そんなことを話し合うためにファーストフード店に行った角田くんは、杉山くんと坂本くんと五島さんとおしゃべりをした後に、友達が企画したフェスのイベントに参加。


 その後、家に帰ったんだけど、物凄い具合が悪くなったらしい。


「地下のライブ会場を使ったフェスで飲み食いしていたんだけど、アルコールとか飲んでないよ?だけど、そうこうしているうちに、泡吹いて倒れちゃったらしくってさ」


 救急車で病院に運ばれた角田くんは入院することになり、とりあえず今の状態じゃバーベキューは無理だと判断。バーベキューには行けそうにないとメッセージを送ったら、

「車出してくれる当てがあるから大丈夫だよ〜」

 という返信メッセージが届いたらしい。


 そうこうするうちに、何度も血液検査を行われるようになり、両親が呼び出された上で医師から説明を受けたところ、

「違法薬物を摂取した可能性があるとか言われちゃって、それでさっきまで、警察の事情聴取を受けていたんだよ〜」

 ということになるらしい。


「本当に危ない状態でした〜とか言われたんだけど、俺の血液中にアルコール成分は検出されなかったから、とりあえずノンアルコールのジュースを飲んでいたことは信じて貰えたんだけど」


 とりあえず、フェスの会場が怪しい、違法薬物を取り扱っていたんじゃないか、ということで警察の捜査が入る予定らしいんだけど、大森くんの後ろに居る坂本くんの生き霊が首を横に振っている。


 ああー、チャンネルさえ開いていなければ、こんな瑣末なことにも気が付かず、何事もスルーして生きていけたはずなのに!


「あのさ・・」

 今まで黙って話を聞いていた僕は、とりあえず尋ねてみることにした。

「ファーストフード店でバーベキューをどうするかって話をしていたとは思うんだけど、そこで、トイレに行ったりとかした?」

「トイレ?確かに話の途中でトイレに行ったけど」

「その間に、飲み物に何かを入れられたとか考えられない?」

「はあ?」


 角田くんの、完全なる部外者である僕を見る目つきが、胡散臭いものへと変わっていく。


「いや、あいつらが俺に薬を盛るとして、なんでそんなことをする必要があるわけ?」

「僕はここにいる大森くんと中学が一緒なんですけど、五島さんとも一緒なんですよ」


 角田くんと大森くん、その他、霊の皆さんの視線を一身に浴びながら僕は話を続けたよ。


「僕は昔、五島さんの主導でクラスから虐めにあうようなことがあったんですけど、華麗にスルーしたので、そのことで彼女から恨みを買っているのかもしれないんです」


 五島さんのよく分からない僕に対する悪意とか恨みって、やっぱり、あの時に虐めをスルーしちゃったからなんじゃないのかな。


「僕の情報を仕入れた彼女は、今回のバーベキューに僕を誘ってみようと思ったんじゃないんですかね。僕は最近車の免許を取ったし、だったら角田くんをキャンセルして、僕を利用してやろうみたいに思ったとか」


 あのおかっぱメガネ(巨乳)だったら、平気で薬とか利用しそう。違法薬物?手に入れてそう、手に入れてそう(偏見)


「だ・・だけどさ、飲み物に薬を混ぜたとして、すぐに症状が出そうなもんじゃないの?」

「遅効性の薬を使ったんじゃないのかな?」

 僕は考えながら言い出した。

「巷で使われるセックスドラッグとかにも、即効性のあるものと、じわじわ効果が出てくる遅効性のものがあるって。そんなことが女性エイトに載っていたのを見たことがあるけども」

「めちゃ週刊誌情報だな」

「美容院に行くと読めるじゃん。僕が行くとこ、未だに雑誌が目の前に置かれているタイプの所だから、おばさんが読んでいそうな雑誌とか、ついつい読んじゃうんだよね」


「性的な興奮はなかったけど、体がガッと熱くはなったかも・・」

 角田くんはそう言って俯くと、

「運転手交代のためだけに薬を盛られた俺って可哀想じゃない?」

 と、眉をハの字に広げながら言い出した。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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