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7話 反撃

水素爆弾を積んだミサイルはアヌに直撃した。



そして半径50kmが一瞬にして灰燼かいじんと化した。

見渡す限りが焼け野原となった。



何もかも消し飛んでただ地面が起伏きふくするのみの火星の様な光景が広がっていた。



ただ一人、右腕を失ったアヌが息を切らせながらそこに立っていた。



アヌはその紫色のオーラで腕を形取りその手を眺めながら思う。



やらなければやられる



そしてどす黒い空からは黒く粘り気のある雨がしとしとと降り始めると、アヌは自身のオーラを使って地面に沈むように消えていった。







◇  ◇  ◇  ◇  ◇



翌日



ハリー・グリーン少将率いる3個師団は今やボロボロだったがアヌの痕跡が消えた事で戦勝ムードに沸き立っていた。



そんな中、ハリー・グリーン少将の表情は硬かった。



ひとつは余りにも大きい被害



ひとつは大統領の事



そして国防総省からの呼び出しがかかっている事



それらは重く少将の心にのしかかっていた。



ハリー・グリーン少将:まだだ。まだここを離れるわけにはいかない。。



士官「行かなくて宜しいのですか?」



ハリー・グリーン少将「君はあの男がこれで死んだと思うかね?」



士官「水爆の直撃を受けて耐えれる生物なんていませんよ。」



ハリー・グリーン少将「そうであって欲しいがね。。」



ハリー・グリーン少将はアヌの死亡を確認するまで国防総省への出頭の猶予を願いでた。



だがその2日後、事態は急変する。



兵士「伝令です!各地のミサイル基地と核ミサイルサイロで次々に原因不明の爆発事故が発生しています!」



その瞬間、ハリー・グリーン少将の心は疑心暗鬼に包まれた。



ハリー・グリーン少将「ま、まさか。。」



ハリー・グリーン少将「か、各地の被害状況を報告させろ!」



兵隊「はっ!」




自分のモニター上に映し出される報告を見る少将の顔は青ざめていた。



機密事項である各地の核ミサイロが10箇所、空軍基地が18箇所、僅か半日の間に次々と消滅したと言うのだ。



ハリー・グリーン少将「一体どうやってレーダーにも察知されずにこんな事が。。?」



米軍に見つかるはずも無い。



アヌは地面の下を移動していた。



アヌにとって地下の岩盤など風程の抵抗も感じることも無く進むことが出来た。



そして、誰も地面の下を時速1000キロを超えるスピードで突き進むなど想像だにしなかった。





地上の如何なる電波の内容も何故かアヌには手に取る様に理解出来た。



それが地下に入ると地下を這う光ケーブルや電話線の内容までもアヌに流入した。



その情報量はアヌの精神を加速度的にむしばんでいった。



アヌ:基地の位置、自分の位置全て手に取るように判る。



アヌ:私の心が潰れるのが先か、米軍を潰すのが先か。。



そう考えながらもアヌは止まりもせずに地上に向けて衝撃波を放つ。



そうする度に確実に基地か、あるいは核ミサイロが破壊されていった。



そしてそれは尚も被害を増やしながら東から西へそしてその日の夜には西から東へと円を描くように米国内を蹂躙じゅうりんした。



そしてアヌはアイオワ州に到達する。



地上は焼け野原だ。



そこはもはや痕跡すらないがあの適合者達が眠る場所だった。



アヌは少しの間止まって黙祷を捧げ、一路国防総省ペンタゴンのあるバージニア州へ向かった。



途中、インディアナ州にてハリー・グリーン少将の作戦司令部が瞬殺される。




ハリー・グリーン少将戦死




米軍将官の戦死は実に30年ぶりの出来事だった。

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