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6話 謀略

ナノマシーン研究機関から脱出したアヌ。



追撃してきた米軍をことごとく一瞬にして壊滅し退却させた。



そしてハリー・グリーン少将は戦慄せんりつを覚える。

しんと静まり返る司令室。



ハリー・グリーン少将「AIR7空対空核ミサイル攻撃を行う。」



ざわざわと室内に動揺が広がる。



士官「司令、核ミサイルを使用するには大統領の許可が必要です。」



ハリー・グリーン少将「許可を待っていたら我々はこのまま殲滅される。」



ハリー・グリーン少将「あれがここへ来たら止める術はあるか?」



士官「しかし軍法会議では済まされません!」



ハリー・グリーン少将「全責任は私が取る。F106-2戦闘機を配備せよ。アレなら最悪コード無しに単機で核ミサイルを打ち込める。」



ハリー・グリーン少将「勘違いするな。ちゃんと許可は取る。その間に準備を進めるだけだ。」



士官「はっ」



少将は受話器を取ると早速行動を開始した。



ハリー・グリーン少将「ニクソン副大統領に繋げ。緊急事態だ。」



核攻撃をするには大統領の持っている「ゴールドコード」と呼ばれるパスワードが必要だ。



逆にこのコードさえあれば議会の承認を得ずに核攻撃を即座に開始出来る。



しかし、現在の大統領はハリー・グリーン少将とは少し折り合いが悪かった。



少将はドナルド・ニクソン副大統領とやりとりを何回かしてから大統領との交渉に望んだ。



副大統領との会話は殆ど暗号で側近ですら内容は理解出来るものではなかった。



そして大統領との電話交渉は上手く行くはずも無く電話越しに断られる。



大統領「悪く思わんでくれ給え。国内での核の使用許可はそう簡単に出せるものじゃない。」



大統領「ま、ペンタゴンが落とされたら考えなくも無いがね。」



大統領「そんな事にならない様に頑張ってくれ給え。」



電話を切る大統領。



大統領「冗談じゃない。奴は頭がおかしいんじゃないか?」



大統領「国内で核ミサイルの使用など。。」



大統領「私の名を戦争犯罪者として歴史に刻めとでも言うのか?」



そう言い終わると同時に2発のサイレンサー付きの銃声が鳴り、大統領の頭を銃弾が貫いた。



SPの一人が大統領を撃って即座に自身の頭も撃ち抜いて自殺したのである。



それは止める間もない一瞬の出来事であった。



大統領暗殺の真偽はその後の動乱の時代の中でうやむやになっていく。









ハリー・グリーン少将は許可のないままF106-2戦闘機によるAIR7核ミサイル攻撃開始の命令を下した。



その頃、アヌは米軍が一度は撤退してくれたので死んだ適合者達を弔う為に墓を作っていた。



チカラを放出したせいか一時的に精神が戻っていたのだ。



そこには簡素な石を積んだだけの墓標が3つ。



そして4つ目の墓の石を積んでいるところだった。



ふとアヌが空を見上げると真っ青な空に一機の戦闘機がアヌに向かって真っ直ぐ飛んでくる。



そしてミサイルを一発放つとUターンして離脱して去って行った。



アヌ:。。。ミサイル?



アヌ:何故一機で?



アヌが疑問におもった丁度その時、ドナルド・ニクソン副大統領によって核兵器の使用許可がハリー・グリーン少将に電話で伝えられる。



アヌはハッとした。



それが核ミサイルだと気が付いたのだ。



アヌは右手をかざして止めようとしたが遅かった。



次の瞬間、閃光が走り空には巨大なキノコ雲が上がり、その周りにリング状の雲が沸き立った。



清々しく青かった空は不気味に赤紫色に染まり秒速300メートルの爆風と共に周囲を焼き尽くす。



そして半径50kmが一瞬にして灰燼かいじんと化した。



水素爆弾を積んだミサイルがアヌに直撃したのだ。



その中心温度は5億度にも達したと言う。



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