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1話 卑劣な決議

時を遡ること1000年余り。


強大過ぎるティアマトのチカラが暴走を始めたアヌを食い止めようと米国は軍を動かした。


しかし、そのアヌの圧倒的なチカラの前に成すすべもなく米国陸空軍はまたたく間に壊滅した。


首都攻撃を恐れたホワイトハウスは水素爆弾を搭載したミサイルを発射するもアヌには通用しなかった。





※ここから240部分『魔神』まではアヌとイシュタルの物語とバアルとアナトの誕生に至るまでを描いた過去編になります。


ショウの話の続きがすぐに読みたい場合は読み飛ばして先に241部分『旅立ち』から読んでも問題ありません。




西暦2120年初頭



国際連邦議会



暴走したアヌは米軍と激突した後、忽然と姿を眩ませていた。



事態を重く見た連邦は慌ただしくある決断をしようとしていた。



「あの米軍がたった2週間で壊滅状態だと?」



「核兵器まで使用してこれか。。」



「そもそもアレに攻撃を当てる事自体が不可能だ。まわりの空間を捻じ曲げて何もかもすり抜けてしまう!」



「核攻撃も効かない。銃弾も毒ガスも届かない。その上テレポーテーションでどこに出るかどこを狙えばいいか分もからない。」



「打つ手なしですよ。」



「よく落ち着いていられるな!今この場に現れて我々全員殺されても可笑しくはないんだぞ!」



「化け物が。。」



「次はどの国が標的になるのか。。これは一刻の猶予もない事態だ。」



「正攻法では駄目だ。米軍ですらこの有様だ。」



「そもそもF7が不老不死などと言う神の領域に手を出したのがいけない。」



「今更そんな事を言っても始まらんでしょう。」



「じゃあどうするんだ?」



ガヤガヤとまとまりがない議会。



一人の男が重い口を開いた。



議長「。。。ひとつ確実にヤツをおびき出してこちらの攻撃を当てる方法があります。」



会場が静まる。。



議長「本来ならこんなやり方は連邦議会としては議題にすること自体許されない。」



議長「しかし、このままでは為す術もない。」



議長「このままいけば我々は全員来年生きてはいないだろう。」



ざわつく会場



議長「だから敢えて提案したい。」



議長「それはナノマシーン研究機関への一斉攻撃です。」



議長「ナノマシーン研究機関には彼の妻と体の弱い子供がいる。」



議長「子供の方に毒を盛り、潜伏させている工作員に内蔵疾患と偽って手術をさせる。」



議長「そこを同時に各国ありったけの核ミサイルを『ナノマシーン研究機関』へ同時に打ち込む。」



議長「手術中の我が子が標的になれば奴は必ず止めに来る。」



議長「そして自らが標的になるしか無いだろう。」



議長「同時に数千発からなる核ミサイルを打ち込めばいかに奴と言えど庇いきれまい。」



「待ってくれ我が国はアヌのと交戦で被害が甚大だ。この上そんなものを打ち込まれたら我が国はどうなる?」



「そもそもあんなものを作った貴国に責任がある!」



「待ってくれ!多数の一般人だっているんだ!」



「そうやってあなた方は自分達の利益の為に今まで散々正義と神の名の元に我ら小国の民の命を奪ってきたではないか!」



「神罰だな。」



「なんだと!」



議長「お静かに。」



皆、不満そうに静まる。



議長「それでは多数決を取ります。」



議長「この作戦に意義のある方は挙手をお願いします。」



手を上げたのは2カ国だけだった。



議長「では賛成の方、挙手お願いします。」



すると今度は殆どの国の代表者が手を上げた。



議長「賛成多数ですのでこの作戦を可決します。」



米国の代表者はびっしょりと汗をかいたままただ拳を握りしめていた。



南米やアラブ諸国の国々はそんな米国の代表者をあざけるように見ていた。



日本やヨーロッパの国々はバツの悪そうな様子だったが他の東南アジアやアフリカ諸国は冷たくそして当然だと言わんばかりにその様子を見ていた。



議長「ではこの議案を可決し、直ちに作戦を実行する。」



それと同時に反対した米国と日本の代表者は拘束された。



「な、何をする!?」



議長「作戦が漏洩しては元も子もありませんので。」



議長「しばらく拘束させて頂きます。」



そう言うと議長は退席した。



この頃、中国は5カ国に分裂しており旧満州地方の国、瀋陽(しんよう)がその中で台頭していた。



議長はその瀋陽の出身である。



分裂後、一度は没落した中国諸国だが元々軍事力が高くいち早く民主化した瀋陽はチベットや広州と小競り合いを続けていた北京や南京と違い経済的復興を遂げ先進国の仲間入りを果たしていた。



しかし、朝鮮半島問題を巡って米国や日本とは常に敵対しており今回の作戦もそう言った背景が色濃く出ていた。



そして即座に作戦は実行にされた。




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