49話 闘病
サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。
剛本とショウ達はナノマシーンウイルスの血清剤を作るために青の研究施設でそれぞれの役目を果たすべく動いていた。
■登場人物の紹介
◇他守ショウ VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSSS。緑から青いオーラにランクアップした。
銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。
◇アナト ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。ショウからのチカラの移譲により赤いオーラからオレンジ色のオーラにランクアップした。
◇剛本剛 イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。イシュタラの議員の決起により、ティアマトの赤いオーラに目覚めてナノマシーン適合者ランクはSSにランクアップした。
◇藤原小町 イ特特殊攻撃部隊『D』ナノマシーン適合者ランクはA
◇エンキ博士 かつてイシュタルを覚醒させたナノマシーン開発者。200年以上の時を超えてコールドスリープより目覚める。サークルアンデッドを使って大量の人体実験を繰り返した。
◇エルヴィン 生きているのか死んでいるのかわからない不思議な猫。
◇クレピオス アスタルトの父親。青の研究施設でナノマシーンの研究をしている。
ナノマシーン適合者特有の様々な病症に有効な薬を開発している。
どこか見覚えのある空き地。
近くに公園がなくて昔よくここで遊んだ。
ふと見るとそこに子供の頃の小町がいた。
小町は剛本に気が付くと近寄ってきた。
小町「探したわよ。剛さん。」
剛本:これは何だ?
小町「剛さん。どうしたの?顔色が悪いわ。」
心配そうに剛本を見つめる子供頃の小町。
剛本「小町。。なのか?」
小町「何?剛さんったら私がわからないの?」
剛本「い、いや。。そんな事は。。」
小町「変な剛さんね。」
剛本「俺を探してたって?」
小町「ええ。。。」
剛本「どうしたんだ?」
急に黙り込む小町。
小町「。。。」
剛本「?」
小町「剛さん。私ね。。。」
剛本「うん。」
小町「私、もうすぐ死ぬの。」
剛本「なっ!?何を言っているんだ?」
うろたえる剛本に小町は微笑んで
小町「だからさよならを言いに来たの。」
剛本「いや!俺がお前を守る!絶対に死なせたりしない!」
小町「。。。ありがとう。」
小さい小町は剛本にその背を向ける。
小町「でも、もうダメなの。」
泣いているのだろうか?
後ろ向きにうつむいてまたしばらく黙り込む。
剛本「待ってろ!俺がすぐに助けに行く!」
剛本「諦めるな!」
すると小町の体は突然輝き始める。
そして小町の姿がこぼれ落ちる様に消え始めた。
それを繋ぎ止めたいが触れると今すぐ壊れそうで触れる事すら出来ない剛本は叫ぶ。
剛本「やめろ!死ぬな!」
小町「さよなら。。。剛さん。。」
剛本「小町!!」
剛本「小町!行くな!!!」
剛本は天井に手をかざしながら目を覚ました。
目には涙を浮かべていた。
常夜灯の明かりがボンヤリと照らすその部屋は簡易ベッドが10個並ぶ青の研究所の地下の病室だ。
そのベッドの一つに剛本は涙を流して横たわっていた。
どうやらうなされていたようだ。
熱が出ている。
丁度、インフルエンザか何かそんな症状だ。
剛本「今のは。。夢。。か?」
剛本:小町。。。。
剛本:皆は大丈夫だろうか?
剛本:被験者からナノマシーン適合者への感染での症例はここでは俺だけだ。。
剛本:ここから長期化した場合どうなるかは未知数だ。。
剛本:小町達がどうなったか知りたい。。。
この青の研究施設はイシュタラ神殿の牢獄同様でインプルは勿論、直接会話も効かない。
唯一の通信手段は専用の通信機器を使う事だが当然剛本は持っていなかった。
周りは見知らぬサークルアンデッドの被験者達。
それもウイルスに侵されて全員苦しんでいた。
剛本:ここは。。地獄だな。。
剛本:終わることの無い絶望を彼らは強いられてきたのか。。
剛本:ここにいる者達もイシュタラ達も
剛本:そして今は小町達も。。。
剛本:確かエンキと言ったな。
剛本:一体何なんだ?
剛本:何故こんな酷い事が出来る?
そんな事を考えている時、不意に耳元で声がした。
エルヴィン「随分シケた感じだねぇ。。」
剛本「エルヴィン?いつの間に?」
剛本「お前はここに入って大丈夫なのか?」
息を切らしながら剛本はエルヴィンを見る。
エルヴィン「オイラは特別だからね。」
自慢げに振る舞うエルヴィン。
苦しそうだが剛本は少し表情が和らいだ。
エルヴィン「朗報だよ。ナノマシーンウイルスの血清剤が完成した。」
それを聞いてハッとなる剛本。
剛本「本当か!?」
エルヴィン「あぁ。今、順番に投与して回ってるよ。」
エルヴィン「ここにもすぐに来るよ。もう少しの辛抱だ。」
剛本「。。。そうか。。これで小町も。。」
剛本がボンヤリと天井を見つめて安堵の表情を浮かべているとシーリングライトの明かりがついて数名の人影が入って来た。
ショウ「待たせたな。」
クレピオス「さあ、早速投与を始めましょう。」




