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43話 オンジの鼻○

サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。



すっかり体力を回復したショウ達はナノマシーンウイルスの血清剤を作るために青の研究施設にやって来た。



そしてショウはクレピオスに頼まれてお昼寝中のオンジを迎えに行く。




■登場人物の紹介

◇他守ショウ  VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSSS。緑から青いオーラにランクアップした。

銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。



◇アナト  ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。ショウからのチカラの移譲により赤いオーラからオレンジ色のオーラにランクアップした。



◇ミネルバ   ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。



人面魚ビビアン   他の人魚達とは違って人型のイシュタラから人魚にメタモルフォーゼしようとして人面魚になっている人魚。ヤムの配下で人魚の里周辺の監視や伝令を主な任務としている。

体は人で顔だけ人面魚の半魚人ビビアンバージョンもある。



◇オンジ   アナトが名付け親となったサークルアンデッドの地下施設で捕らえられていた培養細胞から生まれた赤ん坊。ナノマシーンウイルスの耐性を持つ。



◇クレピオス  アスタルトの父親。青の研究施設でナノマシーンの研究をしている。

ナノマシーン適合者特有の様々な病症に有効な薬を開発している。



オンジは気持ち良さそうに寝ている。



しかしその鼻の中からは赤ん坊らしからぬ極太の鼻毛が数本、モッサリと丸く下にカールしながら伸びていたのだ。



ショウ:こ、これは?



ショウ:ちょっと待て。。落ち着いて考えろ。。



ショウ:コイツ実はおっさんなんじゃないのか?



ショウ:言葉も話してたし実は成長が止まってから随分経つおっさんなのか。。?



しばらく考え込んでふとオンジを見るとさっきまで下向きのカールだった鼻毛が今度は上向きのカールになっていた。



固まるショウ。



ショウ:え?



ショウ:さ、さっき下向きだったよな。。?



食い入る様に鼻毛を見つめる。。



サワ。。



ショウ:!!!!



ショウ:今、動いたよな??



ショウ:は、鼻毛が生きているのか??



そんなショウを見てミネルバは



ミネルバ「どうかしましたの?」



ショウ「い、いや。何でもない。。」



ミネルバ「何でもない事はないでしょう?」



とオンジの顔を覗いた。



ミネルバ「。。。特に何もありませんわ。」



ショウ「そ、そんな筈は。。」



ショウが再び見ると鼻毛がなくなっている。



ショウ「あれ?」



ショウ:おかしいな。。?



ミネルバ「どうしましたの?」



ショウ「いや、何でもな。。うっ」



次にショウがオンジに目をやると今度は鼻の中がモゾモゾ動いている。



そしてさらにオンジの鼻の中のから声が聞こえてきた。



鼻毛「オンジ、そろそろ起きろ。」



オンジ「うーん。。ミッシェル。。まだ眠い。。」



ショウ:ミ、ミッシェルだと?



ショウは更に愕然とした。



ショウ:こ、こいつ鼻毛に名前つけて喋ってやがる。。。



ここでようやく鼻毛ミッシェルに気が付いたミネルバはそれをじっと見つめる。



ミネルバ「。。。」



ミネルバ「tamori、それヤドカリですわよ。」



ショウ「え?」



オンジ「うーん。。?あ、ミッシェル、また鼻に入って。。。」



オンジは起き上がると鼻に指を突っ込んでミッシェルを引きずり出した。



ショウ「うお!?」



それは小さな殻のないヤドカリだった。



もちろん言葉を解する所をみるとイシュタラではあるのだろうが見た目にはただのヤドカリに見える。



そして起きたオンジはようやくショウ達に気が付くと



オンジ「あれ?あなたは確か。。他守さん?」



ショウ「あ、ああ。そ、そうだ。」



ショウ「ところでその鼻。。いや、ヤドカリは?」



オンジ「この子はミッシェル。ここで知り合った。友達。」



ミッシェルはオンジの手に隠れながら



ミッシェル「ど、どうも。はじめまして。」



ショウ「君は何でオンジの鼻の中にいたんだ?」



ミッシェル「は、はい。随分昔にここへ紛れ込んだのですが住んでいた貝殻が割れてしまい。。この辺り貝殻が無くて小さな穴があるとつい入ってしまうのです。」



ショウ「そう言えばここは貝殻がないな。。」



ショウ「そうだ、ちょっと待って!」



ショウ:錬金素材で何かなかったかな。。?



ショウはコンソールを出してアイテムを確認する。



ショウ:えーっと。。お、これなんかいいかも。



ショウはアイテムリストの中から『うずまき忍者貝の殻』を選択した。



すると丁度ショウの胸の前あたりの空中が黒くなりそこに手を入れると中から小さなオレンジ色の巻き貝の貝殻が出てきた。



ショウはそれをミッシェルの前に置くと



ショウ「こんなので良かったらあげるよ。」



と言っていかつい顔に赤い目を怪しく光らせた。



ミッシェルはその顔に少しためらいながらもその貝殻の中に入って行った。



ミッシェル「おおお。。これは。。」



ミッシェル「素晴らしいです!ありがとうございます!!」



オンジ「わぁ」



ショウもホッとして



ショウ「それは良かった。」



と頷いた。



ミッシェルはとても気に入った様子でその場をクルクルと回って見せた。



ミネルバは相変わらずつまらなそうに



ミネルバ「そろそろ施設に戻った方が宜しくては?」



と促す。



ショウ「あ、あぁ。そうだったな。」



ショウ「クレピオスさんが呼んでたよ。それからアナトも。」



それを聞いてオンジの表情はパッと明るくなる。



オンジ「アナト来てる?」



ショウ「あぁ。一緒に来たよ。」



オンジ「アナト、会いたい!早く行こう!」



こうしてショウはオンジを連れて診察室へ戻って来た。



スライド式の診察室の扉を開き、オンジはアナトの元に駆寄ると



オンジ「アナト来た!嬉しい!」



と、赤ん坊らしからぬ動きでアナトの周りをぐる回ったり飛び跳ねたりした。



アナト「オンジは随分元気になったな。」



オンジ「うん!この通りだよ!」



と快心の笑顔を見せた。



そこに



クレピオス「早速だがオンジ、そして他守君、二人に頼みたいことがある。」



とクレピオスが切り出して来た。



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