34話 リザレクション
ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。
サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。
ヤムと和解した後、バアルとアナトに移譲をする事になったショウ。
アナトへのチカラの移譲に成功した後、バアルにも移譲しようとした時、突然ショウの体は2つに裂けてしまった。
アナトの必死の呼びかけもミネルバの治癒魔法も虚しくショウのオーラは尽きてミネルバも消滅してしまった。
■登場人物の紹介
◇他守ショウ VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSS。緑色のオーラを持つ。
銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。
◇アナト ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。ショウからのチカラの移譲により赤いオーラからオレンジ色のオーラにランクアップした。
◇バアル アナトの兄。ナノマシーン適合者ランクはSS。オレンジ色のオーラを持つ。
◇ミネルバ ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。
◇剛本剛 イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。ナノマシーン適合者ランクはA
◇イシュタル アナトとバアルの母であり、全てのイシュタラに尊敬、崇拝されるイシュタラ達の女神。イシュタラの国を作り、放射能汚染から低ランクのイシュタラと魚たちを守るために命を落とした。
◇ヤム 神殿議会長。外海の魔神と呼ばれる回遊族のイシュタラ出身。人間殲滅作戦を考案。一応バアル達を立ててはいるが実質支配している。
◇アルル アルルの街の守護者。イシュタラ軍を率いて魔神軍と共にセラフィールド戦を戦った。10議員の一人でもある。
◇ウル ウルの街の守護者。10議員の一人。バアルの教育係をしていた。
◇エリドゥ エリドゥの街の守護者。10議員の一人。バアルの戦闘訓練をしていた。人魚の里の長
◇ラガシュ ラガシュの街の守護者。10議員の一人。亜人族の長
◇ウンマ ウンマの街の守護者。10議員の一人。声がダンディな獣人族の長
ショウの心の奥深く
どれ位の時間が経っただろう?
何者かの声がする。
さっきから頭の中でチラチラ聞こえる声だ。
声:もろいな。。
声:少し干渉し過ぎたか。。
声:しかし依代が死んしまっては元も子もない。。
声:今はここまでか。。
ショウ:。。。。!
ショウ:お前は誰だ?
ショウ:どうして俺の心の中にいる?
声:声が聞こえる様になったのか。。
声:今日の所は退いてやるがお前の身体はいつか私がもらう。
声が遠のく。。
ショウ:待て!お前は誰だ!?
声:知りたければお前の祖父の痕跡を探れ。。
ショウ:じいちゃんの?
ショウ:待て!
ショウ:どう言う事だ!?
声:もう1段階引き上げてやる。これで何とかなるだろう
すると、ショウの中にティアマトのチカラが流入して来るのが分かった。
声:○□▲%○□▲%。。。
ショウ:うまく、聞き取れない。。
その声と重なるように遠くでアナトが呼んでいる気がした。。
ショウ:アナト。。。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アナト「他守!!起きろ!!」
ここは水中なので涙が判らないが確かにアナトは泣いていた。
アナト「。。。他守。。。」
バアル「。。。。」
他の者達にも後ろめたい様な空気が流れ、その静寂の似合う神殿の一室は静まり返っていた。
その時だった。
トクンッ
アナトは微かにショウの身体が脈打ったのを感じ取った。
ハッとするアナト。
アナト「他守?」
アナトが目を丸くしてショウを見つめているとショウの胸のあたりから青い光が溢れ始めた。
そしてそれと同時に消えていたミネルバの姿が具現化されて再び消えた場所に現れた。
ミネルバ「これは。。?」
心なしか以前のミネルバよりも少し凛とした表情のミネルバ。
アナト「ミネルバ!他守の治癒を!」
ミネルバは落ち着いた表情で頷くとショウにターゲットを合わせて彼のステータスを確認した。
因みにポインターやステータスウインドウはミネルバの視界の中だけのものである。
ミネルバ「。。。tamoriのステータスが死亡になっていますわ。」
アナト「な!?」
アナト「じゃぁ他守は。。?」
ミネルバ「私が思うにこれはファーストアドベンチャー18の世界の『死亡』に近い状態に見えますわ。」
アナト「?」
ミネルバ「蘇生魔法を試みます。」
アナト「蘇生。。。?」
バアル「そ、そんな事まで出来るのか。。。?」
ウンマ「驚きだニャァ。。」
ウンマの声は実にダンディだった。
ミネルバは王女らしい立ち振る舞いで優雅に一歩前へ出てショウの前に立つと魔法詠唱ポーズを取った。
足元に白い魔法陣が現れてゴオオオオッという音とともに魔法陣は白い光を放つ。
キュアⅣよりも更に長い詠唱時間を終えてミネルバは魔法を宣言する。
ミネルバ「リザレクション!」
するとショウの身体は何か見えない者に優しく抱き上げる様に持ち上がり白い光に包まれた。
どこからともなく女神の歌声がするとショウの周りをうっすらと透けた天使達の姿が舞って見える。
その美しい光景にその場の誰もが目を奪われる中、ショウは再び目を開いてフワリとその場に舞い降りた。
と同時にショウの胸にあった青い光は全身を包み込み終にはショウ自身から青いオーラを放ち始めた。
バアル「!!!青いオーラ!!」
ヤム「さらにティアマトとのリンクレベルが上がったと言うのか!?」
その場の全員が驚きを隠せなかった。
何故ならそれは自分達の女神イシュタルのチカラの波動を超えるオーラだったからだ。
ショウは青いオーラに包まれながらアナトを見つめた。
ショウ「アナト、呼んでくれたね。」
アナト「まぁな。。」
アナトは歯を食いしばって涙を抑えながら目一杯強がって笑って答えた。
アナト「お前ホントに何でもありだな。。」
アナトはそう言うとショウに抱きついた。
そんな二人をミネルバはヤレヤレと言う表情で見ていた。




