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31話 人間殲滅計画の行方

ゲームの中のキャラクターの姿と能力のまま現実世界に出てきた他守ショウ。



サークルアンデッドとVRMMORPGファーストアドベンチャー18の正体を知ったショウ達は打倒サークルアンデッドを胸にイシュタラの国へとやってきた。



ヤム暗殺を決意した剛本は自身の能力を高めるべく議員達からのチカラの移譲を受ける為に人魚の里の守護者エリドゥの城に集まる。



しかしそこに集まったヤム、アナト、バアルにより拘束される。



そして剛本はついにティアマトのチカラに目覚める。







■登場人物の紹介

◇他守ショウ  VRMMORPGファーストアドベンチャー18からログアウトしたらゲームのキャラクターのまま現実世界に出てきてしまう。ナノマシーン適合者としてはこの世界最強のSSS。緑色のオーラを持つ。

銀髪に角があり、光を帯びた赤い目、口元には牙が見え、少し尖っ耳に爬虫類系の尻尾がある魔族設定のキャラクターだが中身の本人は童顔を気にする黒髪の28歳。



◇アナト  ショウと一緒にサークルアンデッドと戦ったイシュタルの娘。ナノマシーン適合者ランクはSS。赤いオーラを持つ。



◇バアル  アナトの兄。ナノマシーン適合者ランクはSS。オレンジ色のオーラを持つ。 



◇ミネルバ   ショウが呼び出した『ファーストアドベンチャー18のフェイスと呼ばれるパーティーメンバー補填用のNPC』召喚士。ゲーム設定ではヒュムリア王国の王女。



剛本剛ごうもとつよし     イ特特殊攻撃部隊『D』リーダー。ナノマシーン適合者ランクはA



藤原小町ふじわらこまち    イ特特殊攻撃部隊『D』ナノマシーン適合者ランクはA



◇エンキ博士   かつてイシュタルを覚醒させたナノマシーン開発者。200年以上の時を超えてコールドスリープより目覚める。サークルアンデッドを使って大量の人体実験を繰り返した。



◇エンリル   エンキの子。エンキ同様どこかでコールドスリープにより眠っている。『時期』が来ればエンキは復活させる予定だったのだがかつて罪を犯したエンリルを隠す為にエンキとは別の場所で眠っている。



◇イシュタル   アナトとバアルの母であり、全てのイシュタラに尊敬、崇拝されるイシュタラ達の女神。イシュタラの国を作り、放射能汚染から低ランクのイシュタラと魚たちを守るために命を落とした。



◇ポン太    シダーの森の住人。エルヴィンを生きていると認識している。見た目は可愛らしい小狐。



◇ヤム     神殿議会長。外海の魔神と呼ばれる回遊族のイシュタラ出身。人間殲滅作戦を考案。一応バアル達を立ててはいるが実質支配している。



◇アルル    アルルの街の守護者。イシュタラ軍を率いて魔神軍と共にセラフィールド戦を戦った。10議員の一人でもある。



◇ウル   ウルの街の守護者。10議員の一人。バアルの教育係をしていた。



◇エリドゥ  エリドゥの街の守護者。10議員の一人。バアルの戦闘訓練をしていた。人魚の里の長



◇ラガシュ    ラガシュの街の守護者。10議員の一人。亜人族の長



◇ウンマ    ウンマの街の守護者。10議員の一人。獣人族の長




拘束された剛本にヤムは言う。



ヤム「君は私を暗殺しようとした。」



ヤム「何か言いたい事はあるかね?」



剛本「人間殲滅計画を止める為だ。詫びるつもりはない。」



ヤム「君がそう思うのは当然だ。しかしこの様に事を急ぐ様に至らしめたのは我がイシュタラの議員達だ。」



アルル「イシュタル様はお前の様な野蛮なやり方は望まん!」



ウル「そうじや、外海の魔神達と違いひっそりとここで暮らして来たのも本来我々は争いを好まないからだ。」



ヤム「その優しい考え方がイシュタル様を死に追いやったとは思わないのかね?」



アルル「。。。」



エリドゥ「核廃棄物の処理も済んだ今はエンキさえ倒せばもうそんなに頑なになる事はないでしょう?」



ヤム「エンキさえ。。ですか。」



ヤム「200年前の戦いでは先制攻撃でカプセルこそ破壊しましたがエンキと特にエンリルには破れて敗走し、我々はダメージを癒やすために氷の中隠れて冬眠するより他なかった。」



ヤム「エンリルは当時で今のバアル殿程のチカラがあったのです。」



ヤム「あの親子を倒すには戦力が足りない。。。と、思っていました。」



ヤム「が、先程バアル殿より提案がありましてね。」



バアル「ここにいる他守ショウ君の協力を得られれば。。ですが。」



バアルはショウを見る。



バアル「今回の件を聞いて君があのサークルアンデッドの被験者達を治癒した事を思い出した。」



バアル「移譲というのは格下が格上からのチカラをもらう時に非常に負担がかかる。」



バアル「しかも部分的な能力ではなくチカラその物の移譲を受けるのは非常に危険な行為だ。」



バアル「この剛本君の様にそれを5人も一度となると普通は死んでいる。」



バアル「だが、こうして彼は生きている。」



バアル「君のそのダメージを回復させる能力を並行して使えば安全に格下のものをレベルアップさせられるのではないかと。」



バアル「私はそれを予測してヤム議長に話を持ちかけた。」



バアル「他守ショウ君の治癒のチカラで我らのティアマトのチカラをレベルアップさせられるなら時間をかけて不安定な大量捕食などしなくても迅速に必要な戦力が得られるのではないかと。」



ヤム「私としても願ってもない。」



ヤム「エンキとの戦いは時間との戦いでもであるからだ。」



ヤム「これに協力頂けるなら代わりに人間殲滅は見送ってもいい。」



アルル「信じられん。。あのヤム議長が意見を変えるとは。。」



ヤム「私はね、この命などどうでもよいのです。今、一番危惧しなければならない事はイシュタラの民が割れる事です。」



ヤム「それに私はいつも言っていた筈ですよ。」



ヤム「反対するなら見合うだけの代替案を出して下さいと。」





バアル「今、我々は完全に利害が一致している。」



バアル「まずは、私とアナトに君のチカラを移譲してくれまいか?」



アナト「他守、私からもお願いする。」



ショウ「アナト。。」



ショウ:(お断りだな)



ショウ:は?



ショウはその時、初めて自分の中に何者かの声を聞いた。






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